昭和特撮「ジャイアントロボ」〜1967 東映特撮巨大ロボの始祖

※当サイトで掲載している画像や動画の著作権・肖像権等は各権利所有者に帰属します。

ID:4049

特撮
スポンサーリンク

懐かしの昭和特撮シリーズ。今回は1967(昭和42)年にNET で放送された「ジャイアントロボ」「仮面の忍者 赤影」 に続く東映&横山光輝先生の特撮作品です。

「ウルトラセブン」「キャプテンウルトラ」と同時期の作品。この番組も昭和50年代に再放送で観た記憶があります。妙に画質が悪く、暗かった印象があります。

 


 

●東映巨大ロボの元祖

 

「ジャイアントロボ」は、日本の特撮巨大ロボット作品の代表格であると共に、後の東映 巨大ロボット特撮の原点であり、「大鉄人17」「レオパルドン(スパイダーマン)」、スーパーヒーロー戦隊ロボたちの先祖でもある“巨人“です。

 

「ジャイアントロボ」
1967(昭和42)年10月11日〜1968(昭和43)年4月1日
毎週水曜日19:30 – 20:00(〜16話)
毎週月曜日19:30 – 20:00(17話〜)
NET系
全26話

 

ツタンカーメンのようなデザイン、無表情、「ま゛」という声、機械的なムーブ、指からロケット…などなど、実に個性的で魅力的な巨大ロボ。

操縦者が少年なのは「鉄人28号」と同じですが、ジャイアントロボは草間大作少年の命令しか聞かず、リモコンなしの腕時計型というウェアラブル端末での、音声認識。

さらにはざっくりした指示でもきちんと対応するファジー機能付きの高性能な電子頭脳を持ち、

空も飛べてさらには全身に兵器だらけ、という(鉄人28号をさらに進化させた)スーパーロボットです。

 

▲若き日の小林稔侍さんもゲスト出演

 

無機質なロボと少年の交流は当時のちびっこから大変な指示を得て、最終回で地球もろとも自爆を企むギロチン帝王を抱えて宇宙に飛び立ち、大作少年の命令を振り切って爆発するラストシーンは全国のちびっこの涙を誘いました。

 


 

●幻の原作漫画

 

後の「仮面ライダー」「デビルマン」などと同じく、今でいうメディア ミックス形式。

東映 渡邊亮徳氏の企画時のコンセプトは「大魔神+ウルトラマン」。そこで東映は「鉄人28号」の横山光輝先生にテレビ化前提のロボット物の原作を依頼、TV放送に併せて少年サンデーで漫画連載が始まります。

ところが、横山先生は「仮面の忍者赤影」の連載で超多忙。そのため、初期は小澤さとる氏が作画を担当していました(ちなみにこの小澤さとる氏は、後にイマイのプラモデル シリーズ「ロボダッチ」をデザインしたお方です)。しかしその小澤氏も少年サンデーで「青の6号」を連載中で第一部の途中で降板し、その後は光プロの横山先生の弟子が担当することに。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

横山先生は「漫画版は完成度が低いので、出すなら全部描きなおしたい」と言い、正式な復刻版が出版されたのは横山氏の没後である2000年代半ばと、長らく幻の存在となっていました。

横山光輝先生は「バビル2世」でもご紹介しています

 


 

●勇壮な主題歌

 

「ジャイアントロボ」
作詞:伊上勝/作曲:山下毅雄
歌:マイスタージンガー

歌っているのは「サイボーグ009」「キャプテンウルトラ」「ウルトラ警備隊の歌」などでお馴染みの男性ボーカルグループ、マイスタージンガー。この時代のこの手の楽曲ってなんでこんなに染みるんでしょうか。てか、これはどういうジャンル?

 


 

主題歌の印象もあるのですが、「ジャイアントロボ」はどこか陰のある、重厚なイメージがありました。

着ぐるみもいかにも重厚な巨大なロボ感が溢れています。実際、動きにくくて殺陣は大変だったそうです。

この「ジャイアントロボ」は当時、ブルマァク製のソフビやブリキのおもちゃなどが売れて、商業的にも成功しました。

←顔w

 

後にOVAなど数多くの派生作品が生まれるなど、そのインパクトは大きいものがありました。

コメント

  1. 大石良雄(本名) より:

    拝啓 サイトヘッド様にはよろしくお願いいたします。この「ジャイアントロボ=GR」こそ自分の特撮人生の中でベストワンの大傑作で生涯忘れられぬ傑作でした。サイトヘッド様もご承知の通り、自分も尊敬する横山光輝先生の「鉄人28号のバージョンUPヒーロー」と言える作品ですね。戦時中の研究から生まれ「操縦機さえ握れば、正義にも悪にもなる鉄人28号」に対し「製作者Dガルチュアの、一番最初に電子頭脳にレコーディング=メモリーされた声」のみに反応するGR、、、進歩いたしましたね。更にGRは非常に人間的な顔を垣間見せるのをサイトヘッド様はお気づきですか? 更に出てくる怪獣モンスターが物凄くユニークで、こういう点こそ「変なプライドに凝り固まって冒険できなかった何処ぞの円谷某」等とは違う。とにかく「大魔球グローバー、巨腕ガンガー、鉄の牙アイアンパワー、悪魔の眼ガンモンス」等などもう最高でした。更にBF団の首領のユニークな事、更には「桑原友美演ずるマリー花村」こそ自分最初の憧れの女優さんでした。また東本部長の姿に「こんな親父だったら、、、」と。もちろん金子光伸さんの美少年役者ぶりも忘れられない、、、しかし何といっても素晴らしいのは「山下毅雄先生のテーマ曲&BGM」でしたね。後年山下先生のマネージャー介してインタビューした際「ソングホイッスル=口笛込みで作編曲を引き受け、基本は山下先生を良く知るスタジオミュージシャン集めてほぼ即興、で演奏し、スコアは後から採譜すると言う方法」だった様です。しかしあのマイスタージンガー中心のド迫力在るテーマ曲は素晴らしい。山下先生はクラシック出身では無くてジャズ系を中心とした独自のインスピレーションを重視する作曲家で、編曲=オーケストレーションやサウンドを聴けば冨田勲先生や山本直純先生、冬木透氏等とも全然違う」と。特に随所に響く口笛が印象的ですが、、、自分が思うに山下毅雄先生の音楽スタイルは「時代の流行を追わず追えず、若い連中にコミットするスタイルでは決して無く、全く独自のスタイル=独自の転調=全然知らない意識しないうちにいつの間にか転調している曲」とか、非常にクセの在る不思議なメロディライン等、つまり「大都会のビルの谷間から視た夕日」の様な都会的センスにあふれた洒落た音楽と言えましょう。対して「木下忠司先生のメロやサウンドは、どちらかと言えば=ちょっと都会から外れたカントリー=田舎での山間部に沈む夕日」の様に感じられます。山下先生のお洒落でエスプリに富んだ音楽こそGRに生命を与え、素晴らしい脚本演出キャストと共に、これ以上無い不滅のロボット作品としてジャイアントロボは永久に残る素晴らしい作品となりました。GRよ永久に      敬具

    • MIYA TERU より:

      大石様、コメントありがとうございます。ジャイアントロボについての深い考察、勉強になります。
      鉄人28号の「バージョンUPヒーロー」であるところのジャイアントロボは、敵役モンスターがイチイチ魅力的でしたよね。
      そして山下先生の楽曲について「大都会のビルの谷間から視た夕日」の様な都会的センス」というのはまさに言いえて妙、喉のつかえが降りた感じです(笑)
      私は主題歌のあの「妙に音質の悪い感じ」が好きなのですが、あれは敢えて、なのでしょうか?長年の謎なのです。

タイトルとURLをコピーしました