と続いた日テレドラマシリーズ、今回は番外編です。
それが「プロハンター」の直前に放送され、個人的にものすごく記憶に残っているドラマ、「炎の犬」です。
なぜかと言うと私はこの時期、ものすごく犬が飼いたくて、ようやく芝犬を飼い始めた時期、だからなのです(笑)。
「炎の犬」
1981年1月6日〜3月31日
毎週火曜日21:00~21:54
日本テレビ系
全13話
●大ヒットした主題歌
このドラマは記憶になくても、この主題歌は聴いたことありませんか?
杉村尚美さんの歌う「サンセット・メモリー」は当時46万枚を売り上げる大ヒット曲になり、ザ・ベストテンとかヒットスタジオにも出演していました。
●犬シリーズ
このドラマは1978(昭和53)年の「犬笛」そして1980(昭和55)年の「黄金の犬」という、西村寿行氏の小説を基にした、言うなれば「犬シリーズ」の第3弾に当たるのだそうです。
「黄金の犬」は映画が先で日テレでドラマ化。金曜9時枠で放送されて大ヒットして、私も観てました。
「黄金の犬」
1980年5月30日~7月25日
出演 長谷川真砂美、伊藤敏八、市毛良枝
日本テレビ系
全9話
長谷川真砂美さんという悲しげな雰囲気の美少女が飼い主役で、北海道で事件に巻き込まれた愛犬と離れ離れになり、毎週、すれ違ってヤキモキさせられる、というストーリー。
多くの日本人はこの作品で「帰巣本能」という言葉と、犬にしか聴こえない周波数の「犬笛」を知ったと思います。
ナレーターは「ジェットストリーーーム」で有名な城達也さん。主題歌はパティという人が唄う「この夢の果てまで」。この曲も名曲でした。
●制作経緯と「警視K」
話を本題に戻します。「炎の犬」は、おそらくは前番組、勝新太郎監督・脚本・主演の「警視K」打ち切りに伴い、大慌てで制作されたのではないか、とされています。
この「警視K」は名優 勝新太郎さんが主演に加え、監督・脚本にも取り組んだ意欲作にも関わらず平均視聴率は5.4%と大爆死。予算オーバーとスケジュール無視のワンマン制作によりやむなく1クールで打ち切りになりましたが、リアリティを追求して全編ほぼアドリブ、当時としては異例の音声同時収録という画期的ブリで、放送開始直後から「セリフが聞こえない」「何を言ってるのか意味がわからない」と抗議の電話が殺到するという伝説のズンドコ番組なのです。
石原裕次郎さんの「太陽にほえろ」「大都会」、加山雄三さんの「大追跡」がヒットして、黙っていられなかったのでしょう世界の勝新・・・話を本題に戻したハズが、大きくズレてます。
ともかく、この時期のテレビ業界は面白かったのです(笑)。
●あらすじ
今度こそ本題。この「炎の犬」は、好評を博した犬シリーズを踏襲し、帰巣本能がテーマです。
ちなみに、前2作と同じく俳優のあおい輝彦さんの愛犬が主演犬です。
猟に行った時に母犬ランと飼い主一家とはぐれてしまった子犬リュウ。飼い主役は松田洋治さんで、中学1年生でした。
飼い主一家が事件に巻き込まれ、その無実を証明する鍵が子犬に託されていた、ということで子犬を探す少年と、元の家を目指して放浪する子犬のすれ違いと、それぞれの成長を描く物語です。
●犬が主役
ただ、今作は本当に「犬が主役」という前代未聞のチャレンジ作品でした。犬達の名演技にかぶせ、犬の心境をナレーターである矢島正明さん(田宮二郎さんの「クイズ タイムショック」でおなじみ)が訥々と語り、ドラマを構成していました。
そして視聴率14.6%を記録した最終回。いよいよ子犬リュウと母犬ランが再会してハッピーエンド…かと思いきや、放浪中に野生に目覚めたリュウは母犬を残し、仲間の野犬とともに再び山へ…親子犬の永遠の別れを描いて、本作は終了しました。
1クール13話と短い作品ですが、犬たちの名演技と、矢島さんの心情ナレーションが強烈に印象に残っています。リュウの師匠格の野犬はジェロニモという名前でしたね。
そして、次作が日本テレビ火曜9時枠最終ドラマとなる「プロハンター」なのでした。
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