寺尾聰さんが1981年にリリースした、初のオリジナル・アルバム「Reflections」
TBS「ザ・ベストテン」10連続第1位となった「ルビーの指環」と3曲同時ランクインした「SHADOW CITY」「出航 SASURAI」が収録されています。
CD以前のミリオン盤の1つ
CD(コンパクトディスク)というメディアが発売されたのが、翌1982(昭和57)年。
このアルバムは、
「氷の世界」井上陽水
「起承転結」松山千春
「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」イエロー・マジック・オーケストラ
と並ぶ、「CD発売前のミリオンセールスアルバム 4作品」のうちの1つだそうです。
シングル「ルビーの指環」はオリコンチャートで10週連続1位、このアルバムも12週間1位で8週間はシングル・アルバム同時1位と、とにかく大ヒットしました。
作曲はすべてご本人、作詞は松本隆さんと有川正沙子さんが手がけています。
ミュージシャンは井上聡さん(Key&Arranger)、松原正樹さん、今剛さん(G)、林立夫さん(Ds)、斉藤ノブさん(Per)、田中章弘さん(B)など、知る人ぞ知るスゴ腕フュージョンバンド、PARACHUTEのメンツが総出演。
もはや寺尾聰 with PARACHUTE といっても過言はありません。
和製AOR、シティーポップの頂点
当時、寺尾聰さんは34歳、私は11歳でした。
全編を通じてひたすら、キザでクールな大人の男の美学満載。外車に乗って夜の海岸線をクルージングしてトレンチコートでバーカウンターでバーボン呑みながらシガレットを燻らせて…そんな大人の男に憧れを抱きました(真顔)。
洋楽でいえばスティーリー・ダンやボズ・スキャッグスのような俗にいうAOR(Adult-Oriented Rock)というジャンルなのでしょうかね、とにかく普段、そんなに音楽が好き!な人でなくても買ってしまう、聴いてしまう、という魅力を秘めたアルバムです。
こんなに真面目に、いい音楽を追求したアルバムが大ヒットしていたこの時代の音楽シーンは、とてもマトモでしたねぇ…(遠い目)。
「Reflections」寺尾聰
リリース 1981年4月5日(LP)
録音 1980年6月12日 – 1981年2月25日
Freedom 1st & 2nd Studio / K.R.S.A Studio
レーベル エキスプレス/東芝EMI
LP:ETP-90058
CD:TOCT-26252(『Reflections+4』)
プロデュース 武藤敏史、寺尾聡
収録曲
01 HABANA EXPRESS
作詞:有川正沙子/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑
02 渚のカンパリ・ソーダ
作詞:松本隆/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑
03 喜望峰
作詞:松本隆/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑
04 二季物語
作詞:有川正沙子/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑
05 ルビーの指環
作詞:松本隆/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑
06 SHADOW CITY
作詞:有川正沙子/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑
07 予期せぬ出来事
作詞:有川正沙子/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑
08 ダイヤルM
作詞:有川正沙子/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑
09 北ウィング
作詞:有川正沙子/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑
10 出航 SASURAI
作詞:有川正沙子/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑
「Re-Cool Reflections」(2007)
そして2007年には25年の時を経てこのアルバムをリテイク、丸々再録音した『Re-Cool Reflections』がリリースされました。
この際はエリック・ミラーのスティール・パン、アレックス・アクーニャのパーカッション、ヴィニー・カリウタのドラムという贅沢極まりないリズム隊に、今剛さんのギターと高水健司さんのベースで繰り広げられる1曲目が、とにかく必聴です。
他のアーティストさんも、アルバムまるごとリテイク、というのが流行らないかな…と期待したんですけどねぇ。そのくらいこの企画は嬉しかったです(ヘタに新曲出されるより 笑)
私は長年、このアルバムの楽曲を演ってみたかったのですが、若造が唄うとこっぱずかしいので、40歳を超えるまでガマンしました(笑)
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