昭和特撮「冒険ロックバット」〜1975 ピー・プロダクション 事実上のラスト作品

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特撮
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昭和特撮、ピー・プロダクション シリーズの今回は、「電人ザボーガー」とほぼ同時期、1975(昭和50)年にフジテレビで放送された帯番組「冒険ロックバット」をご紹介します。

「冒険ロックバット」
1975年(昭和50)年3月31日-9月27日
月曜〜土曜 18:55-19:00
フジテレビ系列
ピー・プロダクション
全156話

 


 

民放局としては後発のフジテレビは、開局間もない1959年(昭和34)年7月から、日曜日を除く月曜〜土曜の夕方、18時55分から低年齢層子供向け5分帯番組アニメを放送していました。(「かいけつタマゴン」「カバトット」「クレクレタコラ」などがこの枠です)

 

当時、フジテレビの月曜19時枠を長く「占有」していたピー・プロダクションですが、経営状態は厳しく、この番組と同時期放送の「電人ザボーガー 」は「友映」に制作を委託している程でした。

 

本作品も制作予算は激安で「1話(5分番組、実質2分30秒)約20万円」だった、と言われます。その中でも代表のうしおそうじ氏「この予算ではお粗末な物になりかねないが、そういうのは絶対やりたくなかったから、こちらでなんとかカバーして、割合まともなものに仕上がった」と語っておられます。その言葉の通り、5分帯番組の中では特撮もそれなりによくできていて、「低予算でもなんとかする」ピー・プロイズムを感じさせます。

 

当時、祖師谷大蔵にあった廃業した元銭湯の映画館内にセットを組み、スクリーンに雑誌や近所の近未来的な風景を投射してロケの手間を省いたり、廃園していた大船ドリームランドでゲリラ撮影を行うなど、涙ぐましい創意工夫でしのいだそうです。

 

https://www.nicovideo.jp/watch/sm19787323

▲OP。「冒険ロックバット」(作詞:しのだとみお/作曲:小森昭宏/歌:水木一郎コロムビアゆりかご会

 


 

主人公「ロックバット」(声は松金よね子さん)は、どうぶつ国どうぶつ村の科学者「ズク博士」によって作られた正義のロボ。悪事をはたらく「ドラダヌギー」に対して、おっちょこちょいでおしゃべりのロックバットが毎回失敗しながら弟ロボット、「ブレイザー」に助けられ事件を解決していく、というストーリー。「特撮」というよりは等身大の着ぐるみによる、愉快なおとぎ話的な幼児向け番組、というイメージです。

 

ドジな主人公のロックバットはロボコン的な存在。見た目もタヌキチックで、可愛さも微妙。

それよりも「鉄のプリンス」弟ロボのブレイザーに人気が集中していた記憶があります。ブレイザーは見た目もメカメカしくてクルマなどに変形する、ムダにDXな設定でした。

変身、特撮ブームもピークを過ぎ、オイルショックの影響もあり、ピー・プロダクションは本作品終了後、撮影スタッフが解散。事実上のラストTV番組となってしまいました。

 

 

▲こちらはコミカライズ版。コッチのほうがカワイイですね。


 

次回、今度こそ最終回。「ピー・プロダクション」「うしおそうじ氏」をご紹介します!

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