ブーム直撃世代から見た「機動戦士ガンダム」~③音楽編

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アニメ
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①ガンプラ狂奏曲編

②TVアニメ編 の続きです!

 


 

●音楽からみた1st.ガンダム

 

テレビアニメ放映開始の1979年4月からまもなく、6月にキングレコードから発売されたサントラ盤「機動戦士ガンダム」。

 

私も速攻で買って、プラモデル作りながら文字通り擦り切れるほど聴きました。

 

収録曲は、

* 翔べ!ガンダム
* 悲愴、そして決然と
* 長い眠り
* 慈しみ
* 安堵
* ガンダム大地に立つ
* 颯爽たるシャア
* 勇壮なるガンダム
* 虚無感
* ジオンの脅威
* 戦いへの恐怖
* スペースコロニー
* サスペンス
* ジオン公国の陰謀
* 不安
* 敵地をスパイする
* 窮地に立つガンダム
* 苦い勝利
* 平和への祈り
* アムロの旅立ち
* 永遠にアムロ

 

主題歌とエンディング、劇中BGMがほぼコンプリートされているまごうことなき正規版で、満足度は100点でした。

 

 

が、ジャケットのガンダムが…アンテナ黄色いしビームライフルはニセモノだし…どういう事なんでしょう。もしかしたら全然別の人が唄ってるパチモンではないか、と思いますよ。当時のアニメサントラ盤なんて、この程度のモノだった、ということなんでしょうかね。

 

アニメのサントラ盤、というのがヒットしたのもこれまた宇宙戦艦ヤマトあたりが走りではないかと思いますが、ここまでオリジナルBGMをフルに1曲ずつ収録してあるのは当時としては珍しかったです。(それくらい当時のアニメのサントラ盤なんて、雑なものが多かった)

 

なんでもガンダムは放映当初から、テレビ用のモノラル音源と、レコード用のステレオ音源にトラックダウンされていたそうで。

 

久々に聴いてみましたがいま聴いても色褪せない名曲揃い。放映当初、ここまでの歴史的大作になるとは期待されていなかったと思うのに、なんだか不思議です。

 

そしてさらに、放映開始とこのアルバムの発売時期からして作品はまだ途中段階だったハズなのに、見事に作風を捉えた完成度の高い楽曲を構築したのは奇跡的、というか、作曲の渡辺岳夫さんと作編曲の松山祐士さんの音楽家としての腕の確かさには感服します。

 

渡辺岳夫、通称ナベタケさんは「巨人の星」「アルプスの少女ハイジ」「キャンディ・キャンディ」や「白い巨塔」(当然、田宮二郎版)などを手がけた方で、松山祐士さんはこれらの作品でナベタケさんと長く仕事をしてこられた方です。

 

そしてなんといっても思い出深い、オープニング主題歌「翔べ!ガンダム」。

 

いま改めてOP映像を観るとなんかみんなで走ってきたり手を伸ばしたり、ちょっと笑ってしまう構成ですし、「巨大な敵を撃て」とか「正義」とか「燃え上がれ」「甦れ」とかいささか作風とは微妙なズレを感じてしまうのですが、やはりこれを聴くと当時の記憶とドキドキが甦ります。

 

エンディングは一転してバラードの「永遠にアムロ」←このタイトル。

当時のアニメのエンディングは、しっとり暗く終わるのが定番でした。

 

いずれも唄っているのは池田鴻さんという方で、これだけの超人気作品なのに本人が唄ってるところを見た事がないという謎の人です。調べてみたら劇団俳優出身で1988年に48歳の若さでお亡くなりになっていました。(ほかの代表作が「バトルホーク」と「グロイザーX」というのがスゴい)

 

このガンダムに関しては劇場版でやしきたかじん氏や井上大輔氏(もはやいずれも故人か…)などによる「砂の十字架」「哀戦士」「めぐりあい」などの名曲が次々生まれ、本作の主題歌はあまり語られなくなりました。これも当時としては珍しいパターンでした。

 

④「TV打ち切りとプラモ化の謎」編 へ続きます!

 

コメント

  1. 大石良雄(本名) より:

    拝啓 サイトヘッド様にはよろしくお願いいたします。
    上記で「渡辺兵夫先生 松山祐士(本名は茂)先生のお二人のお名前を久々に聞き、本当に嬉しかった」のです。現在非常に残念で悔しいのですがこのお二人のお名前は忘れられてしまっている、、、こんな悔しい事はありません。実は久石譲等は渡辺兵夫先生がおられたからこそ世に出られたのであり、悔しいですね。この最初期のオリジナルの機動戦士ガンダムは、当時の記録から「キングレコードの藤田ディレクターの強い推薦で渡辺兵夫先生に確定した」と。当時これを聞いた岳夫先生は「びっくりした、宇宙物ロボット物は、菊池の俊ちゃんとか宙明さんとかの専売特許と思ったが」と。結果的に誰よりも素晴らしい音楽をクリエイトされたのです。サイトヘッド様はどの様に感じられますか? 自分的には「このガンダムの音楽から、岳夫先生と祐士先生の音楽、サウンドはガラリと変わった」と。それ以前の渡辺兵夫節&松山祐士節とは? どちらかと言えば、大編成のフルオケを目一杯使い、ある意味スーパーデコレーションのメロとサウンドでしたね。しかし、、、このガンダムをよくよく聴きますと「抑えに抑えたメロディーの進行と、何より編曲アレンジが今までとは全く異なり、洪水の様なスーパーデコレーションは徹底的に抑えられ、少ない編成と楽器を徹底的に工夫して、今までの岳夫節の様に全てのメロに覆いかぶさる様なサウンドでは無く、徹底的にメロを活かし肝心要の部分でのみオケを鳴らし切るという素晴らしさ、、、、これはもう松山祐士先生でしか出来ない素晴らしいテクニックでした。当時は出始めのドラムシンセ=今日の様なPCM音源を持つ音を出すのでは無くて、あくまで生ドラムを補完するアナログシンセドラムでした。松山先生はこの当時のシンセドラムを徹底的に使いしゃぶりつくした。こういった先進的なアイディアは「岳夫&祐士節ならでは」であり、そういうば渡辺兵夫先生ご自身も早くからシンセや電子キーボードを使用されておられましたからね。自分は当時「渡辺兵夫先生の奥様や松山祐士先生にご連絡を差し上げ、大変良くして頂き、祐士先生には実に良く勉強されていて驚く」とお褒めのお言葉を頂戴し、その感激は忘れません。 ぜひもう一度、この素晴らしいコンビネーションのお二人を見直し、再評価を与えなくてはならないと。  敬具

    • MIYA TERU より:

      大石様、コメントありがとうございます。ガンダムについては世の中で多く語られていますが、渡辺兵夫&松山祐士先生の功績に触れているものは少ないですよね。ヤマトの宮川泰さん同様、子供心にあの劇伴のカッコよさも人気に一躍買ったと思っています。完全にオケのみではなく、シンセを使ってしっかり時代にマッチさせつつ、肝心なところは勇壮なフルオーケストラで「戦争映画としてのガンダム」の世界観とスケールを構築された印象です。やはり、一般的には渡辺宙明さん、菊池俊輔さんなどに比べると語られる機会が少ないのでしょうか・・・。そんなお二方に直接お目にかかられたご経験もありとのことで、貴重なエピソードを教えていただき感激です。

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