さて、今回は「知ってるつもり?初期ドラ」面白エピソード第二弾!
もはや「ドラえもんの妹」として知らない人はいない「ドラミちゃん」。
しかし初期設定でドラミはのび太ではなく、別人の家にいたことを知ってる人は少ないと思います。
今回はそんなドラミちゃんの初期設定と、面白エピソードについてご紹介します!
ドラミちゃん登場!
デビュー間もない頃の「ドラミちゃん」は、「ドラえもん」のスピンオフ作品として、小学館誌上で独立連載としてスタートしました。
▲予告ページ。ヒドいルックス・・・そしてこのデレデレ。もしかして妹じゃなくガールフレンド設定だったのか?
実はドラミちゃんは、のび太の遠い親戚であるのび太郎の家に居候し、彼の面倒を見るという物語でした。
第1話「じゅん番入れかわりき」は、ドラミちゃんがドラえもんの手伝いに未来から野比家へやって来たものの、偶然にも近所に引っ越してきた遠い親戚の「のび太郎」に出会い、彼の世話をすることにきーめた!という物語(てんとう虫コミックス未収録)。
▲のび太とママが、のび太郎とそのママに「久しぶり」と挨拶しています。
その後、「ドラミちゃん」全8話のうち、この第1話「じゅん番入れかわりき」を除く7話が「ドラえもん」のてんとう虫コミックスに収録される際にこの設定が見直され、登場人物のほとんどが差し替えられ、描き直しされました。
しかし、ジャイアンの家が「剛田商会」ではなくふつうの一軒家だったり、のび太の部屋にベッドがあったりなど、細かな点で差異が残っています。さらに初期コミックスではところどころ名前や顔がそのままだったり、混乱していました(現在発行の版ではかなり修正されたようですが、まだ完全ではないようです)
確かに私はのび太がしずちゃんを「みよちゃん」と呼んだりしてたのを「?」と思ってました。
●「ドラミちゃん」登場人物はどう違う?
のび太 と のび太郎
「遠い親戚」にしては瓜二つ、完全に同一人物です
しずかちゃん→みよちゃん
別人ですね
スネ夫→ズル木
あまりに別人なので、コミックスにもそのまま登場します。
ジャイアン→カバ田
見た目は髪型を除きほぼ同一人物(前髪ぱっつんでちょっと小さい?)ですが、普通の戸建て住み。にしても、あんまりなネーミングです(笑)
のび太のママ (描き直し後)とのび太郎のママ
見た目がかなり違います
のび太郎のパパとのび太のパパ(描き直し後)
これもまた別人です
●「ドラミちゃん」の面白エピソード
私が最初に読んだドラミちゃんのエピソードは「海底ハイキング」というお話です(てんとう虫コミックス第4巻)
▼ドラミちゃん初登場回がコミックス未収録なため、こんなトビラが1ページ入り、唐突に登場しました。
このお話は、学校帰りに夏休みに何するか、という話になり「どうせゴロゴロしてるだけだろ」とバカにされたのび太(ホントはのび太郎)が憤慨。「大きい事をやり、いずれ記者会見をする!」と言い放つところから始まります。
▲くれたまえ・・・このセリフまわしのセンス(笑)
そしてのび太郎はドラミちゃんに依頼していた「海底を歩いて太平洋横断」という壮大すぎるプランを実行に移します。夏休みの自由研究の枠にしては異次元です。私はこのお話で「大陸だな」「日本海溝」とか「マリンスノー」とか「プランクトン」なんかを初めて知りました。いまにして思えば「あの臆病ものの のび太 が、秘密道具があるとはいえたった1人で深海旅行に行くなんて・・・」と違和感を覚えますが、それもそのはず、このお話の主役はのび太の遠い親戚ののび太郎。
▲のび太郎は勇敢なんですね(笑)
そして正直、その頃はそんな違和感、何とも思いませんでした(笑)。
▲この魅力的な秘密道具の数々!
▲そしてこの解説画面の精密さ!
▲このカット割りと作画!
▲そしてこの勇敢なのび太(じゃなくてのび太郎!)
とにかくドキドキがすごくて、ものすごく面白かった。後の劇場版の原点、とも言われるエピソードです。
▼結局、のび太の壮大な冒険は誰にも伝わらず、オチはこのコマ。
▲スネ夫じゃなくてズル木と、ジャイアンのようなカバ太と、しずちゃんに描き直されたみよちゃんがいます。
もう一つ、大好きなエピソード。
それは「放送局を始めたよ」(原題は「のび太郎テレビしゅつえん」てんとう虫コミックス11巻)
この話にはズル木ではなく、その名も「きどりたかお」という、鼻持ちならないキザなヤツが登場します(見た目はズル木ですが)。
「大事件だから家に集まれ」ときどりくんに呼ばれたのび太郎たちが見せられたのは…
▲このタイトルと効果音(笑)
▲そしてこの鼻持ちならない自慢げな説明(”イエース”とラストの“ペラペラ“に注目)
▲この司会者!このカオ、そして「さぁん。」がツボです
▲そしてこの唄!
▲そしてこのジャイアン(書き直し前はカバ田)のカオ!
この見開きだけで、白飯が3杯は余裕の面白さ。
▲そして次のページの最初のコマがコレ。
「いらん!」のツッコミのカオと速度が腹筋と涙腺を崩壊させます。
まぁこの後は「ドラえもん」のエピソード「テレビ局をはじめたよ」とほぼ同じ感じなのですが、私はこの「気取高夫さぁん。」と「アルプスの少女〜」と「つながった目」からの「いらん!」連続コンボだけでもう、たまりません(笑)
以上、知ってるつもり?「初期ドラミちゃん編」でした!
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