「WWE」というプロレス団体をご存じでしょうか。
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「スポーツの激しさとドラマのストーリー展開」をコンセプトに、世界規模でエンターテイメントのビジネス展開を行う巨大企業(会長兼CEO:ビンス・マクマホン/本社:アメリカ・コネチカット州スタンフォード)です。
◆WWEというグローバル企業
2016年度の年商がおよそ830億円(NYナスダック上場データ)。インターネット動画配信サービス「WWEネットワーク」は、会員数が140万人超でNETFLIX、Amazonプライム、Hulu、MLB.TVに次ぐ世界第5位の加入者数を誇り、テレビ中継は毎週全米1100万人が視聴、世界170カ国、30の言語で放送されています。
トップクラスの選手は年棒で10億レベル、いまやハリウッド俳優のドゥエイン・ジョンソンはWWEで活躍した選手ですし、トランプ政権誕生時にオーナーの妻であるリンダ・マクマホンが政権入りしたことでも話題になりました。(そもそも大統領になる前のトランプ自身がWWEオーナーのビンス・マクマホンとどっちが大金持ちか、で大揉めし、代理選手の試合に負けた方が髪を切る、というストーリーに出演したくらいの間柄です)
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毎週、月曜と水曜に開催される興行の生放送でドラマを盛り上げ、決戦の場はPPV(有料放送)でのみ視聴可能になるビジネスモデルなのですが、そのPPVは「レッスルマニア」「サマースラム」「サバイバー・シリーズ」「ロイヤルランブル」の4大大会で年間スケジュールが構成されます。
その中でもっとも伝統があり、大規模かつ世界最高峰のイベントが、「レッスルマニア」です。
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◆レッスルマニアのスゴさ
1985年の第1回大会は一晩で400万ドルもの収益を上げ、アメリカン・プロレスの歴史を塗り替えました。また、1987年の第3回大会は9万3173人という大観衆を集め、世界のインドアスポーツイベントにおける過去最高観客動員数を記録しました。この当時はハルク・ホーガンが全盛で、アンドレ・ザ・ジャイアントなどトップ選手が登場するだけでなく、モハメド・アリやシンディ・ローパー、マイクタイソンなどの豪華ゲストも毎年、話題になりました。
「レッスルマニア」は毎年開催され、今年で34回目となります。
フォーブス誌が2015年に発表した「世界で最も高価値なスポーツイベント」で
1.スーパーボウル(ブランド価値705億円)
2.夏季オリンピック(同423億円)
3.冬季オリンピック(同346億円)
4.FIFAワールドカップ(同278億円)
と来て、なんと
5.レッスルマニア(同207億円)
・・・。このことからわかる通り、もはやプロレスファンだけの、ではなく、大げさではなくものすごいグローバルなスーパービッグイベント、なワケです。
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◆中邑真輔の快挙
新日本プロレスで活躍した中邑真輔というトップ選手が、2016年、このWWEに移籍しました。
いまや新日本プロレスの興行もインターネットで配信され、海外にも多くのファンが存在します。その中でも海外人気が高いのが中邑で、熱心なオファーを受けての退団、移籍でした。
2018年1月28日、米国フィラデルフィアで開催された4大PPVの中の一つ、「ロイヤルランブル」という大会で、その名も「ロイヤルランブル」という時間差バトルロイヤルで中邑が優勝しました。
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これだけでも日本人初の快挙、なのですが、なんとこの優勝者は、4月8日にニューオリンズで開催される最大の大会「レッスルマニア34」の、メインイベントに出場する権利を得るのです。
レッスルマニアに出場した日本人選手は、天龍など何人かいますが、もちろん、過去「レッスルマニア」でメインイベントを張った日本人はいません。
中邑は対戦相手にAJスタイルズを指名。
この選手もまた、新日本プロレスで活躍してほぼ同時期にWWEに移籍した外国人選手で、中邑とAJは移籍直前の2016年1月4日、東京ドームで戦った間柄です。
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いわば、新日本プロレスの最高峰のカードが、世界一のリングに丸ごと進出、世界最高峰の舞台で再現される、というワケです。海外ファンはTwitterなどで、「あの伝説のトーキョーの試合が、レッスルマニアで観られるぜ!」と大コーフン、早くも歓迎ムードで盛り上がっています。
私は過去、1999年にNYとワシントンDCでWWE(当時はWWF)の興行を生観戦した経験があるのですが、もう10年以上観ておらず、登場する選手ももはや、ほとんどわかりません。。。
が、このニュースで久々に、今年のレッスルマニアに一気に興味が湧きました。
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