「”1・4事変”東京ドームでの橋本真也vs小川直也戦を振り返る」
に続くその③では、TV放送を観た直後の感想をお送りします。
TV中継放送直後の感想
この試合、私は自宅でTV観戦していたのですが、試合後の感想はまず、
「(生放送ではなく当日のディレイ放送なのに)よくテレ朝はこんなもの流すよな」
でした。
用心棒的なガラの悪さで定評のある(そして一応団体内ストーリー上は小川の敵である)ゴルドーがセコンドについてきて、入場中に小川が異例のマイクアピール、その後の流れを見ても、これはどう見ても前田-アンドレ戦、長州顔面襲撃と同じ、「異常事態」の匂いしかしません。
にも関わらず、前田vsアンドレ戦のように「お蔵入り」させることなく、平気で全国ネットで放送しちゃう、というのが、どうにも私には実に不可思議でした。
「いまのテレ朝にはプロレスに詳しい人がいない、あるいは新日側とあまり意思疎通ができていないのかな?」という疑問。
どう見ても、この試合が抗争を煽るためのアングルにしては橋本があまりに無様過ぎ、小川が一方的に「仕掛けた」としか思えません。
そして、ついこないだまでIWGP王者であり、新日の強さの象徴であった橋本が何も反撃できないままに一方的にやられる、という商品価値を暴落させることをされてもテレ朝がフツーに放送する(新日プロサイドも止めない)ということが、「不思議」でした。
小川の別人ぶりに驚き、「仕掛けた」のはアントニオ猪木?
次に、この日の小川の別人ぶりに驚きました。
プロレス転向した後もどうしても柔道家時代の摺り足と鈍臭さが抜けなかったのが信じられない程、体型もファイトスタイルも、そして性格までまるで別人に生まれ変わり、”猪木の指示を受けた佐山博士が改造した格闘サイボーグ”というのがこの日の印象です。
そして、これを仕掛けたのは誰か。
試合後の「目を覚ましてください!」という小川のマイクを聞いた途端、真っ先に思い浮かんだのはアントニオ猪木の顔でした。
「目を覚ませ」というセリフは猪木は通常使いませんが、口癖の「気づく」というのと同義であり、私はこれは猪木が小川に対して試合前に
「オガワ、新日の連中の目を覚ましてやれ。(橋本を)やってしまって構わん」
と指示したのは間違いない、と確信しました。
猪木が当時、もはやコントロールできない新日側から距離を置かれてイライラしていたのは明らかですし、動機は完璧です。
橋本の態度の謎
本来であれば恥をかかされて怒り狂ってもおかしくない橋本自身が、小川に向かっていくこともなく、果ては長州を制止していたことも不可思議でした。
これには2つの推理があり、
一つは小川の実力に怖れをなした橋本がビビって何もできなかった、というストレートな見方。
そしてもう一つは、橋本が自分の不始末に長州が介入するのだけは避けたい、という感情。
あの”ええかっこしい”の橋本が、惨敗したことは置いておいても自分の事は自分で、と体裁を気にしているのか、これを口実にますます長州に抑えつけられるのは困る、なのか、引退した長州にケツを拭かせるのは申し訳ない、という感情か、そこがわかりませんでした。
そんなことを考えつつ、何度も何度も録画したビデオを繰り返し観ました。
次回、④試合後の舞台裏へつづきます
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