今回は私が藤子F作品でもっとも好きで、もっとも笑える、すさまじい面白さの傑作「新・オバケのQ太郎」の魅力をご紹介します!
●てんとう虫コミックス「新・オバケのQ太郎」新装版特別サイト
いつのまにかオープンしてました。
https://www.shogakukan.co.jp/pr/tencomi/shinobaq/
なかなか凝ったUI/UXですね…。
●60年代のオバQブーム(旧)
今となっては「藤子F先生といえばドラえもん」ですが(ドラえもんの初期作品の面白さはコチラで紹介)、1960〜70年代は、圧倒的にオバQが人気も知名度もNo. 1でした。コンビ時代の藤子不二雄先生の、初の大ヒット作品です。
1960年代、マンガからTBSでアニメ化されて視聴率30%を超える大人気キャラクターとなった「オバケのQ太郎」は、レコードは軒並みミリオンヒット、お弁当箱や水筒、浴衣などありとあらゆるキャラクター グッズがバカ売れして、夏休みには「オバQ音頭」が全国の盆踊りの定番になるなど、社会現象レベルのブームを巻き起こしました。
「週刊少年サンデー」1964年6号 – 1966年51号に連載され、単行本はてんとう虫コミックスから全6巻(現在は新装版として全12巻)発売されました。
●新・オバケのQ太郎
今回ご紹介する「新」は、1971〜73年に小学館学習雑誌に連載され、てんとう虫コミックスで全4巻、発売されたシリーズです。
それに合わせて日本テレビでアニメ「新オバケのQ太郎」が1971年9月〜1972年12月に放送されました。
物語は、オバケの国に戻ったQ太郎が、弟のO次郎と共に帰ってくるところから始まります。
▲時代を感じさせるQちゃん不在時の出来事。
前作との違いは、
・弟のO次郎が登場
・作画がA先生との共作ではなくF先生のみとなり、まろやかなタッチに
という点です。
そうです、「バケラッタ」のO次郎は旧作品まではいないのです。
●長期に亘る「オバQ不遇の時代」
超人気作品にも関わらず、単行本は「旧」も「新」も1988年を境に増刷が停止。
以降、2009年まで20年近く文庫化も新装化もされなくなりました(そのため、古本価格が高騰していました)。
マンガ絶版の理由は諸説あり、いまだに謎とされていますが、旧オバQはA先生だけでなく石ノ森章太郎先生らが作画に協力しているため著作権の問題だ、とか、遺族の意向だ、とか、差別的表現(人食い人種を想起させるバケ食いオバケ)があるからだ、とか…。
(近年ではF先生の未亡人の意向、という説が有力です)
ともあれ、この長期のブランクのおかげで、「オバQ」は長らく不遇の時代を過ごすことになってしまいました。
●新オバQの面白さ
なぜだかいろいろとあって、世間から消えたオバQ。
ですが、それでも、やはりこの「新・オバケのQ太郎」は
非常にとってもすばらしく面白いのです。
旧作と比較しても、その面白さは段違い、
数ある藤子F先生作品の中でもギャグという点では最高傑作です。
藤子F先生の真骨頂である簡潔なセリフ、
表情、コマ割りのテンポ、
どれをとってもキレキレです。
前述の通り、いまでは四半世紀ぶりに復活した単行本も発売されています。
なにが面白いのかを説明しだすと、全4巻のエピソードをすべて紹介しなければならなくなるので、頑張ってなんとかして、マンガを読んでください(笑)。
ここまで説明しても「それはちょっと」という人は、このサイトを見てみてください。
一部だけではありますが、ものすごくとってもすばらしく、この作品の面白さを説明してくださっております。
●アニメも封印
1971年〜に日本テレビで放送された「新 オバケのQ太郎」は「ど根性ガエル」や「天才バガボン」で知られる東京ムービー作品。
後のテレ朝・シンエイ動画作品とは異なるテイスト、テンポあふれるドタバタ、スラップスティック アニメとして抱腹絶倒な面白さ、だった記憶があります(昔はよく、再放送してました)。
しかし。80年代にテレビ朝日でリメイクされたおかげで、70年代 日本テレビ版はいまや完全に封印。DVD化もされず、もはや観ることができません。YouTubeなどでも、主題歌とエンディングくらいしかありません(これは日テレ版ドラえもんも同様です)。
まったくもって残念です。
なんとか再発売してもらいたいものなのですが、後のテレ朝とのつながりを考えると、まず不可能なのでしょうね…。
▼主題歌は山本直純さん作の名曲。チンドン屋風のイントロからテンションマックスです。
エンディングの「絵描き歌」も有名ですね。
私はこの「日テレ版 新オバQ」のアニメが改めて観たくて観たくて仕方ありません。
同じくリメイクされたせいで、もはや観ることができない「カリメロ」と本作が、復刻してほしいアニメ ワン・ツー作品です。
単行本も復刻された事ですし、そろそろどこかでまた観られたらいいなぁ…と淡い期待を抱いています。
完
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