前回の「60-70年代編」に続いて、今回は「80-90年代編」デザイン&ルックスがカッコいい国産車特集です!
この80-90年代のクルマはよりバラエティ豊かになり、バブル景気で日本中が浮かれて「やり過ぎコンセプト カー」が続々と誕生した時期でもあります。そんな時代を象徴する「見た目にカッコイイ国産車」をご紹介します!
※今回もエンジン性能ではなくあくまで「見た目」「ルックス」だけ&私の好みでのピックアップです!(笑)
●デートカー ナンパ車 頂上対決!
1987
ホンダ プレリュード 3代目 BA4/5/7型
1987年に登場したプレリュードは、総生産台数60万台という人気車種。大学生から若い社会人のデートカーとして80年代の「カッコいいクルマ」の代表選手でした。
1988
日産シルビア 5代目
そんなプレリュードの対抗馬として88年にデビューしたのが5代目シルビア。「アート フォース シルビア」のキャッチコピーで、スタイリッシュかつエレガントなフォルムで一世を風靡、30万台のセールスを記録しました。
●日産デザイン黄金期
この時期の日産の元気さは特筆すべきものがありましたね。
1987
日産 ブルーバードSSSアテーサ
8世代目のU12型の中でもSSS、さらにフルタイム4WDタイプの最上位車種「アテーサ」が大人気。大学時代に実家がコレで私も乗ってました。ブルーバードはこの頃まではカッコよかったですね。
1988
日産 180SX
「ワンエイティ」はシルビアの北米市場向けモデル。美しいフォルムで女性ドライバーに人気でしたが、シルビア同様FRで、走り屋さんにも人気の車種でした。
1988
セフィーロ A31
糸井重里氏のキャッチコピー「くうねるあそぶ。」のキーワード、井上陽水出演のCM「みなさん、お元気ですか」の崩御自粛で話題になりました。
1988
シーマ 初代
デビューと同時に当時の好景気の波に乗り破竹の大ヒット。「シーマ現象」と呼ばれました。セドリック・グロリアをベースにした大型サルーンにハイパワー エンジンを組み合わせた高級車です。
1989
日産 R32スカイラインGT-R
8代目スカイラインの2ドアクーペモデルに追加されたハイパフォーマンスグレードで、16年ぶりにGT-Rの名称が復活。「技術の日産」の最新技術が投入され、全日本ツーリングカーレースで連戦連勝。日本を代表するスポーツカーとなりました。
1989
日産 フェアレディZ 4代目 Z32
完璧なスーパースポーツカーを目指した4代目。キャッチコピーは「スポーツカーに乗ろうと思う」。バブル景気の絶頂期と崩壊を経て10年以上の長期に渡り生産されました。見た目が「スーパーストロングマシン」。
●キング オブ バブル カー
1986
トヨタ ソアラ 2代目
86年にデビューした2代目ソアラは、国産最高峰の性能とホスピタリティを併せ持ったキング オブ バブル カー。高級車にも関わらず86年から91年までバブル期とシンクロし総販売30万台、毎月5,000台とバカ売れしました。
●タカ&ユージの愛車
1986
日産 レパード F31
ソアラのライバルといえばこの車。「あぶない刑事」で使用され、いまだに中古車市場で高い人気を誇ります。
●打倒GT-R、マッチョスポーツカー
1990
三菱 GTO
「スタリオン」の後継は打倒GT-Rを掲げたマッチョな和製スーパーカーでした。デカくてイカツい、アメ車のようなルックスです。
1993
トヨタ スープラ 2代目 A80
日本では「セリカXX(ダブルエックス)」として販売されていましたが、北米仕様の逆上陸で登場した2代目(世界では4代目)からスープラとなりました。GT-Rに対抗するパワーで今なお人気があります。
●高級サルーン三銃士
1992
日産 レパード Jフェリー
セドリック・グロリアと同じ型式ながら超高級志向の異色作。本革シートにエクステリアで500万円は軽くオーバーしました。おしりのフォルムが独特。
1990
ユーノス コスモ
欧米の富裕層をイメージしてメルセデスやジャガーに対抗する、キャッチコピーは「クーペ ダイナミズム」。オーストリア製本革シートにイタリア製天然木にGPSナビ、とにかく贅沢なクルマ。
1991
スバル アルシオーネ 2代目 SVX
イタリアの高名なデザイナー、ジウジアーロ デザインの未来的なフォルムが特徴の、スバルのフラッグシップカーでした。
この三銃士はいずれもセールス的にはコケました…
●まだまだある80年代の名車
1983
トヨタ カローラレビン/トヨタ スプリンタートレノ AE86
通称「ハチロク」。4代目カローラ レビン/スプリンター トレノを指します。強力な4A-G型エンジンにFRで人気マンガ「頭文字D」で超有名なモデルです。ツートンカラーが特徴的です。
1989
ユーノス ロードスター
もはや絶滅危惧種だった「ライト ウェイト オープン」を復活させビッグセールスを記録、海外メーカーにもインパクトを与えた名車。マツダの新販売チャネル「ユーノス」の第1弾モデルでした。
1981
いすゞ ピアッツァ 初代 JR120/130
117クーペの後継を狙い、イタリアのジウジアーロにデザインを依頼。ほぼそのまま市販化されたことで世界中を驚かせた斬新なフォルムの名車でした。
1987
トヨタ セリカ コンバーチブル
1985年にFF化されて登場した4代目セリカに1987年に追加された、当時珍しい4シーターのコンバーチブル。カラーリングも豊富で乗りたかったクルマでした。
1990
三菱 ディアマンテ
三菱初の3ナンバー専用車の4ドアハードトップ。パッと見カッコいいのですが、予想外の大ヒットで街中に溢れると「BMWのパチモン」感が物悲しくなりました。
●街中に溢れた無難なクルマ
この時期、
トヨタ マークII
トヨタ カリーナED
が街中に溢れていました。しかも白色。「いかにも」過ぎるトヨタ車の面白くもなんともないルックスなので取り上げませんが、目立つことを嫌い、みんなと一緒、無難が大好き、な日本人好みのクルマでしたね。
●走るラブホ
1996
ホンダ S-MX
ファミリーカーのイメージを払拭した、コンパクトミニバンの先駆車。鮮やかなオレンジのカラーリングや珍しいベンチシート、無限からチューンキットが発売されるなど楽しそうでしたし、居住性、運搬性が魅力的で一時は真剣に買おうか悩みました。しかし、やたらとティッシュ入れが多い、フラットシートがダブルベット仕様になる、さらにキャッチコピーも「恋愛仕様」。下心丸出しだ、と「カーセックス専用車」「走るラブホ」とまで言われたのを知り、買わなくてよかったと思いました(笑)。
●ガルウィング付き金魚鉢
1990
トヨタ セラ
一般車、それもこのミニサイズにガルウイングドアを搭載したコンセプトカー。サラウンド スピーカーも魅力で楽しそうです。全面ガラスでは真夏は蒸し風呂になりそう(耐熱ガラス+グレードの高いエアコン付きではありますが)…。CMソングはなぜかまるで似合わないCOMPLEX「BE MY BABY」でした。
●レトロ モダンな日産パイクカー シリーズ 1987-1992
日産Be-1
過去のデザインを取り入れる工業デザインのタブーを打ち破った世界でも例を見ないパイクカー シリーズは、このクルマから始まりました。限定10,000台が2か月で完売する爆発的大ヒット車に。
日産PAO
Be-1同様こちらもベースはマーチですが、もはやどこにも面影がありません。細部までこだわりのノスタルジック デザイン。第二次大戦中のVWとか、鳥山明さんのイラストのようなフォルムですね。
日産フィガロ
第3弾は限定20,000台生産で販売されたフィガロ。これまで以上に大人気で抽選で当たった人しか買えないほどの人気ぶりでした。「日常の中の非日常」というコンセプトで現代に蘇ったクラシックカー。
日産ラシーン
「羅針盤」にちなんだネーミング、ドラえもんがイメージキャラクター、ライトなアウトドア感で大人気でした。現在でいうクロスオーバーSUVですね。
このシリーズにはトールタイプのユニークなライトバン
日産エスカルゴ(S-Cargo)
もありました。
●軽自動車オープンカー 平成ABCトリオ
1991
ホンダ ビート
バブル期ならではの遊びゴコロ企画で生まれた軽自動車2シーターオープンカーの元祖。セカンドカー需要を狙ったものの、ミッドシップでゴーカートを思わせる走りの楽しさからバカ売れし、3万4千台が生産されました。
1991
スズキ カプチーノ
軽自動車の枠内でフロントエンジン、リアドライブ(FR)を採用したスポーツカー。デザイン性も高く、多くのファンが産まれました。
1992
マツダ オートザム AZ-1
マツダ 5チャンネル化によって誕生したオートザムで販売されました。軽自動車にガルウィング搭載、オトナのオモチャ的なクルマです。
●おまけ:私の愛車シリーズ
1984
ホンダ シティ カブリオレ
自分で初めて買ったクルマがこれでした。ギミックたっぷりの楽しいクルマ。別項で詳しく取り上げています。
1994
三菱FTO DE2/3
シティカブリオレを乗りつぶした私が、セリカ コンバーチブルと散々悩んで選んだのが、ギャランクーペFTOの名称が突如復活したこのクルマでした。日本車にはめずらしい、インパクトのある独特なフォルムに惹かれたのですが、フォード バルケッタのパクリ?と後から知りました(笑)セミオートマ搭載で走りも良かったのですが、このモデルで廃盤に…。
1996
ホンダ プレリュード 5代目 BB5/6/7/8
知る人ぞ知る、最後期モデル。セミオートマ搭載のスペシャリティクーペ。70年代を彷彿とさせるフォルムと内装が真っ赤な革張りなのに惹かれて乗りましたが、とにかく売れなかったようです。かつての超人気車種プレリュードは、このモデルで廃盤に…。
いかがでしょう。
この時期は、いまでは考えられない遊びゴコロ、チャレンジングなクルマがたくさんありました。アナタの思い出の一台はありましたか?
コンセプトを市販車まで持っていけるのは、各メーカーの技術力の進化のなせる技、でもあり、バブル期ならでは、でもありました。
各メーカーはこの時期、成功の裏で苦い経験もたくさんしたハズで、トラウマもあるのではないでしょうか。
そのせいもあり、いまはさらにチャレンジがしにくい環境になってしまっているのかと。環境や安全への意識も要求も高い事ももちろん、「若者のクルマ離れ」は言わずもがなです。
それが成熟、というものでしょうけれど、もっと見ただけでワクワクする、乗りたい!と思わせるルックスのクルマが、これからも登場することを期待したいですね。
完
コメント