「1985年のC-C-B」~80年代アイドル⑩ 時代を象徴するアイドル・バンド

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アイドル
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今回はカラフルな髪と派手な衣装、ポップな楽曲で80年代中期の歌謡曲、歌番組で大人気を誇ったグループ「C-C-B」を取り上げます。

そのキャラと売れ方から“アイドル““イロモノ“扱いされ、”大衆消費社会の申し子”的な存在で音楽的な評価は一切されない「バンド」ですが…松本隆&筒美京平コンビの楽曲は、あの時代の空気感を切り取った名曲揃いなんですよね。

 

さらに私は当時、生でコンサートを観た経験がありまして…
その時の秘蔵エピソードも交えてご紹介します。

 


C-C-B 略歴 と 全シングル曲

 

●1982(昭和57)年

結成のきっかけは青山のミニFM局が開催した新人バンドコンテスト。”夏をイメージ””グループサウンズの再来””和製ビーチボーイズ”のコンセプトから結成当初は「Coconut Boys」で、この時点でのメンバーはベースの渡辺英樹、ドラムの笠浩二、関口誠人+他2人の5人組でした。

 

●1983(昭和58)年

シングル「Candy」でメジャーデビュー。
作詞:児島由美/作曲:萩原健太/編曲:佐孝康夫・萩原健太・C-C-B

ビーチボーイズテイストですね。
幸先よくCM曲に起用されますが、ヒットには至らず。

 

●1984(昭和59)年

初期メンバー2人が脱退。
キーボードの田口智治とリードギター米川英之が加入。

 

2nd.シングル「瞳少女」
作詞:秋元康/作曲:芹沢廣明/編曲:松井忠重

ロート製薬「なみだロート」のCM曲に。

 

●1985(昭和60)年

バンド名をC-C-Bに変更。

3rd.シングル「Romanticが止まらない」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀、C-C-B

起死回生を図ったこの曲が、大ブレイクにつながりました。(第27回日本レコード大賞金賞受賞)

 

TBSドラマ「毎度おさわがせします」の主題歌に起用された際、当初はチェッカーズや一世風靡セピアで、という案もあったそうですが、作家陣の要望で抜擢されたのだとか。

 

TBS「ザ・ベストテン」出演を機に、独特な髪色と演奏スタイル、明るいキャラクターで一躍人気者に。

 

以降、「一発屋では?」との下馬評を覆し、松本隆&筒美京平コンビによるポップで切ない楽曲の数々で大ヒットを連発していきます。

 

4thシングル「スクール・ガール」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀、C-C-B

TBS縛りが弱まり、フジテレビ系「夜のヒットスタジオ」初出演。
敢えて前作と異なるテイストを選択したことが功を奏した気がします。

 

5thシングル「Lucky Chanceをもう一度」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀、C-C-B

「Romantic~」路線のポップチューン。12インチシングルも発売されました。
「第36回NHK紅白歌合戦」にこの曲で初出場。

 

6thシングル「空想Kiss」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:大谷和夫、C-C-B

「毎度おさわがせします」(第2期)の主題歌。
これまでと一転してメロウなミディアムナンバーです。

 

●1986(昭和61)年

 

7thシングル「元気なブロークンハート」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:大谷和夫、C-C-B

Aメロが渡辺英樹と笠浩二のユニゾン、Bメロが関口誠人、という構成。
それまでのカラフルでポップなイメージから一転、派手なカラーに染められていた髪をナチュラルな黒髪に戻しました。

 

8thシングル「不自然な君が好き」
作詞:松本隆/作曲:関口誠人/編曲:大谷和夫、C-C-B

関口誠人がメインボーカルでこれまでにないシリアスな雰囲気。
何気に私は一番好きな楽曲かもしれません。「FNS歌謡祭 優秀歌謡音楽賞」受賞。

 

9thシングル「ないものねだりのI want you」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:大谷和夫、C-C-B

3曲目となる「毎度おさわがせします」(3期)の主題歌。
当時まだ珍しいラップを取り入れ、オリコン1位を獲得。

 

●1987(昭和62)年

 

1月、関口さんが脱退を表明(4月 よみうりランドEASTライブで脱退)。
以後はギタリストの米川さんがメインボーカルを務めることが増えました。

 

10thシングル「2 Much,I Love U.」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:大谷和夫、C-C-B

 

11thシングル「原色したいね」
作詞:松本隆/作曲:渡辺英樹/編曲:大谷和夫、C-C-B

 

12thシングル「抱きしめたい」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:大谷和夫、C-C-B


TBS「ザ・ベストテン」10位以内のランクインは、この曲が最後。

 

●1988(昭和63)年

 

13thシングル「恋文(ラブレター) 」
作詞:松本隆/作曲:渡辺英樹/編曲:C-C-B、大谷和夫

初のバラードシングル、渡辺英樹が作曲を担当。
大谷和夫さん編曲はシングルとしては最後の作品。

 

14thシングル「信じていれば 」
作詞・渡辺英樹/作曲・米川英之/編曲・田口智治・米川英之

最後のオリコントップ10入り

 

●1989(平成元)年

 

4月、テレビ朝日「ミュージックステーション」にて解散発表。

 

ラスト(15th)シングル「Love is Magic」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:田口智治

解散発表4日後に発表。松本隆さんがファンに対する感謝とメッセージを手がけました。

 

そして10月9日、日本武道館でのライブを最後に解散。

 

●異色の演奏スタイルと楽曲

 

C-C-Bはどうしてもピンクやパープル、ブルーに染めたカラフルな髪と派手な衣装のルックスに目がいきがちですが、バンドとしての演奏形態もかなり異色でした。

 

・当時珍しい電子ドラム「シモンズ」を叩きながら唄う
・ベースがチョッパー(スラップ)しながら唄う
・ドラマーがメインボーカルをとる
・フロントマンがインカムでくるくる回りながら唄う
・ドラムとベースのメインボーカル2人が共にハイトーン
・ツインボーカル、トリプルボーカル、メンバー全員が唄える
・多彩なコーラスワーク

 

アイドル然とした衣装で”イロモノ”にしか見えませんが、メンバーの演奏技術は高く、雑然とした生放送の歌番組でもほとんどが生演奏・生歌唱、ミュージシャンとしての腕前は確かなものがありました。あの複雑なベースラインとスラップ(当時はチョッパーと呼ばれていました)を唄いながら演奏するのはいま見てもスゴイなぁと。しかも全員、ボーカルもコーラスもウマいんですよね。

 

アレンジャーの船山基紀さんのこそ時代ならではのキラキラしたアレンジ+基本、メロがマイナー調の「切ない感じ」「甘酸っぱさ」前回の筒美京平サウンド+松本隆さんの時代を「切り取る視点」の歌詞が重なり、この時代のティーンエイジャーのハートを鷲づかみ。いま聴いても「売れる要素」しかありません。。。

 

アルバム収録で好きな楽曲

 

浮気なジル(作詞:松本隆./作曲:筒美京平)

 

噂のカタカナボーイ(作詞・作曲:関口誠人/ 編曲C-C-B

●コンサート生観戦の思い出

 

確かな日にちは記憶にありませんが、1986(昭和61)年頃、人気絶頂期のC-C-Bのコンサートを観る機会がありました。会場の福岡市民会館は9割9分、中高生の女子で占められ、男子高校生の野郎は私と友人の2名だけという超アウェー。

 

当時、バンドを始めていた私はいろんなロックバンドのライブを観始めた時期でしたが、初めて生で見る彼らのバンドとしてのテクニックはそこいらのロックバンドとそん色ないどころか、唄いながら踊りながらですからもっと大変なことをやってるんだ、と感じました。

 

やけにメンバーと目が合うなぁ、と思っていたら・・・

終盤、ベースの渡辺英樹さんが「今日は会場に、勇気を持って来てくれた野郎がいます!そいつらに贈ります!」とMC。会場の女子の視線が一斉に我々に突き刺さる中、彼らはゴリゴリのロックインストを演奏してくれたのです。我々のいる目の前でチョッパーとギターソロを延々・・・女子たちはどう思ったんでしょうか(汗)

普段はいつも明るく、アイドル・タレントとしてのキャラを全うする中で”アイドル””イロモノ”と色眼鏡で見られることの多い彼らですが、やはりそこはミュージシャン。バンドとして演奏を評価してほしい、もっと男のファンが欲しい、という葛藤もあったと思います。

 

彼ら自身も「どのような形であれ、まずは自分たちの名を知って貰うことを優先すべきと割り切って仕事をこなしていった」「仕事と割り切らなくてはいけない一面と、ミュージシャンとしての自我のせめぎ合いに苦しんだ」「自分たちに出来ることは何か、求められているものは何か。メンバー内で幾たびも話し合いが持たれた」

 

そして辿り着いた答えは「音楽に真摯に向き合い、自分たちにしか出来ない表現でミュージシャンとして勝負し続けること」だった、と語っています。

 


C-C-Bのその後

 

集まるメンバーこそ違いますが何度も再結成を繰り返し、その後の「懐かしの歌謡曲」的な番組で目にすることも多かったC-C-Bですが、2015年、キーボードの田口氏が覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕される事件が起こり世間を「お騒がせ」しました。

 

そして2015年7月13日、リーダーの渡辺英樹さんが急性大動脈解離による多臓器不全のため55歳の若さで急逝。

同年8月10日、新宿BLAZEにて「お別れの会」が開催され、ライブの模様の一部はニコニコ生放送で生中継され、視聴者:26,646人、コメント数:20,800を記録しました。

コメント

  1. 大石良雄(本名) より:

    拝啓 サイトヘッド様には相変わらずの猛暑の中、よろしくお願いを申し上げます。
    *「CCBと言えば?毎度お騒がせします と言えば?城之内ミサ様 帰りの駄賃に筒美京平?」
    1980年代は、自分の大好きな「城之内ミサ様 大島ミチル様」等が大挙して「TVドラマのテーマ曲やBGM/サントラを作曲編曲しまくっておられた」素晴らしい時代でした。何せお二人とも「世界一の才能実力と共に、稀なる美貌とスタイリング」でしたので、想像ですがもうモテてモテてどうしようもなかったと推測されます。その多数のTVドラマの中で「まいどおさわがせします」は当時から非常に話題となり賛否両論相当に議論された「通称問題作」でした。ドラマの内容はさておき、当時は「テーマ曲の作者とBGM/サントラの作者が別」でしたので(まぁこれはプロデューサーの意向もさることながら) 当時初めて聞いた「ロマンティックが止まらない」なかなか良い曲だと思いました。また当時「BCGだかBBCだかのグループがいる」(予防注射ぢゃあ無ぇんだと) 程度の事は知っていましたが、それ以上にこの「ロマンティックが止まらない」と言う曲が、CCBのオリジナルでは無くて(つまり自分たちの作詞作曲では無くて) あの「筒美京平さんの曲」と知った時は驚くと言うよりも、なるほどそうだったのかと思ったのです。更に筒美京平さんはこの以前から「編曲 アレンジから足を洗った」様でこれは正直良かったと思いました。正直なかなか情報が入らず難しいのですが、、、「筒美京平と言う人は、どういう師匠でどういう勉強をしたのか?」がいまいち解りません。
    ご本人は大学在学中からジャズピアニストを務め、何故か「すぎやまこういちに弟子入りした」と知られていますが、これがどう考えても解りません。この当時はまだすぎやまこういちはディレクターを辞めて一本立ちした頃? 当時を知る「宮川泰先生はTV中で、僕の処に楽器の音程の事を聞きに来ていたのがすぎやまこういちだった」と証拠保全されており、どうも専門的な教育よりも「現場で必要に迫られて覚えた知識」だったのか? あるいは世間に公表されない陰の師匠や協力者が居たのか? まぁ自分の興味関心も無い人なのでどうでも良いですが、この「すぎやまこういちに弟子入りした と言う理由は、もしかしてかなりの人が古賀政男に弟子入りした」のと同じで理由では無かったか? つまり「古賀政男も音楽の専門教育を受けたのでは無くて、たまたま作曲家になった」はずで、専門的な事等教えられるはずも無いとしたら、それ以上の何某=色々ありますが を教わったのではないか?と。
    そういう理由なのかどうなのか? 筒美京平さんはどうも「芸術家と言うよりも職人だった」気がいたします。これは「阿久悠」等にも共通し、共に天才や怪物と言うよりも「職人=どんな仕事もソツ無くこなす=例えどんな手段を使おうと、、、」(まぁ此処がミソなのですが今回は申し上げません) と。こういった人はどうも全て「一人で完結したがる」傾向があり、作曲編曲を一手に引き受けていた時期も長かった、、、よくよく聞けば「そのアレンジは、曲により物凄くレベルの差が大きく、とても同じ人の手とは思えない程」の開きが感じられまして、どうもこの人は作曲に専念された方が良いと以前から思っておりましたが、、ようやくこの頃から「編曲アレンジを外部の人に任せる」様になりました。特に「船山基紀さんや大谷和夫さんはなかなか優秀な人」でしたし、あまり知られていないが「船山さんはかなり以前から、シンセを始めPS=プライベートスタジオ」を所有し、あのモンスターモデル「フェアライトCMI=バージョンは2と推測 から24chMTR」まで所有し、一時は「フリーポート=後にソルに改称 等のプロ用スタジオの運営」までされていました。この影響からか? 柏原芳恵のラスター等のアルバムは全編フェアライトを用いた船山さんのアレンジで統一されていました。
    筒美京平さんも早くからシンセやデジタルハード、PS等には興味を持っていた様子なので。
    この「CCBのロマンティックが止まらない」も、よくよく聞けばやはり昭和時代の筒美京平作曲のJpopであり、これを如何にも「そうとは聞こえない様な感じに工夫した のが船山基紀さんのアレンジだった」と思っています。そういえば、、、思い出しましたら「セクシャルバイオレットNo1」等も筒美さんでしたね。当時は芸術家よりも職人さんの方がモテたりなんかして、、、、ぜひサイトヘッド様の屈託の無いご意見をお伺いしたいです。 敬具

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