さてさて、ジギー・スターダストの後、ボウイは
「■アラディン・セイン」(73年)
という、顔に稲妻を描いた別キャラなどを演じたり、
「■ピンナップス」(73年)
という全曲カヴァーのアルバムを発表します。
そして狂乱のグラムロックをやり切ったボウイの次の一手はなんと、「英国脱出、ソウルミュージックでのアメリカ進出」でした。
異星人の後はアメリカ人、黒人になろうとしたワケです。自らニセモノのソウル=プラスティック・ソウルと揶揄しながら74-76年のボウイはソウルトレインに乗っかりました。
ここからはアルバムごとに。
■DIAMOND DOGS(74年)
ボウイ自身による一人多重録音をベースにした(初の)セルフプロデュースによる7thアルバム「ダイヤモンドの犬」。
ジギー時代の延長線上的ロックンロールに混じり、ソウルテイストが濃厚になります。
このアルバムから、マーク・ボランと決別したトニー・ヴィスコンティが復帰、さすがの仕事人ぶりを発揮します。
もうライヴは引退する、という宣言をまたも華麗に撤回してのワールドツアーを敢行し、いよいよもってソウル路線にドップリ突き進んでいったボウイは…
■YOUNG AMERICANS(75年)
アメリカ本場仕込みのソウルフルな8thアルバムを発表。
プロデューサーとしても復帰したトニー・ヴィスコンティに加え、デヴィッド・サンボーン(sax)、カルロス・アロマー(g)が参加。
そして何といっても目玉なのは、ジョン・レノンとの共演曲「Fame」。
後に宮沢りえにカバーされ、紅白でヘンテコな日本語歌詞で風呂に入りながら唄われてしまう(笑)この曲で、ボウイは初の全米No.1を獲得。アルバムも初のトップ10ヒットとなり、念願のアメリカ進出を名実共に成功させました。
■STATION TO STATION(76年)
前作に続く、ソウルアルバム第2弾の9thアルバム。
うわべだけを真似た「プラスティックソウル」から、しつこくやり続けてそのプラスティックの容器に血と肉を注入した的に本格的にソウルをボウイ節に昇華させる辺りが、単なるカッコつけだけじゃないボウイの神髄ですね。
このアルバムは、とにかくタイトルチューンがカッチョいい。この時期のアルバムでは私は一番好きな作品です。
⑤に続きます!
★David Bowie history Blog INDEX
「デヴィッド・ボウイ」①~変幻自在のロックスタァ入門
「デヴィッド・ボウイ」②~スペースオディティ 宇宙の旅
「デヴィッド・ボウイ」③~ジギー・スターダストとは何か?
「デヴィッド・ボウイ」④~プラスティック・ソウル
「デヴィッド・ボウイ」⑤~ベルリン・プログレ
「デヴィッド・ボウイ」⑥~前半まとめ&来日公演
「デヴィッド・ボウイ」⑦~レッツ・ダンス
「デヴィッド・ボウイ」⑧~ライブ・エイド
「デヴィッド・ボウイ」⑨~Tin Machine
「デヴィッド・ボウイ」⑩~ Sound + Vision Tour
「デヴィッド・ボウイ」⑪~Black Tie White Noise / OUTSIDE
「デヴィッド・ボウイ」⑫~Earthring & 中期以降のまとめ
コメント