稲妻戦士「木村健悟」②~昭和 新日本プロレス 維新軍・UWFとの抗争

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プロレス
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「令和の時代にキムケンを語る!」シリーズ第2回は、維新軍、UWFとの軍団抗争編です。

>第1回はコチラ

 

維新軍、UWFとの軍団抗争での木村健吾

 

木村は1982(昭和57)年にヘビー級に転向。しかしこれまた「飛龍十番勝負」で華々しくヘビー級転向を果たした藤波と比べ、「いつの間にか」の地味な転向でした。

 

そして狼軍団→維新軍の”革命戦士”として大ブレイク中の長州力、”四次元殺法”で社会現象となる大ブームを巻き起こすタイガーマスク、第1回IWGPに華々しく凱旋した”スパークリングフラッシュ”前田日明らの陰に隠れ、木村は「猪木・坂口・藤波のタッグパートナー」的な中堅ポジションに落ち着きます。

 

この頃の木村の団体内でのポジションを図る試合が、2つあります。

 

新日正規軍・維新軍「5対5勝ち抜き戦」

 

1つ目は1984(昭和59)年4月19日に蔵前国技館で行われた、新日正規軍と維新軍の「5対5勝ち抜き戦」です。(ちなみにこの前年の全面対抗戦「4対4」には木村は出場せず、後輩の前田日明にその座を奪われていました)

 

  

 

この試合で木村は、大将猪木・副将藤波に次ぐ「中堅」として出場しています。

 

正規軍は、藤波を先鋒に置く奇襲。藤波は寺西勇、小林邦昭を立て続けに撃破するも、続く3戦目の谷津嘉章戦でロープを足に絡めてのエプロンカウントアウト負け。

 

4戦目、正規軍次鋒の高田伸彦vs谷津嘉章では高田が善戦。高田は若さ溢れる猛攻で谷津をあと一歩まで追い詰めますが、谷津が先輩の意地を見せて辛勝。しかしヤングライオンの高田は一気に株を上げ、これが出世試合となりました。

 

ここで登場するのが我らがキムケンです。木村は連戦で疲れが見える谷津に対し、さっさと片づけて次戦につなぐのが役割・・・にもかかわらず、観客にアピールしまくりながら、長々と試合してしまいます。

 

最後は珍しく(笑)、必殺の「稲妻レッグラリアート」で勝利しますが、私はこの空気の読めないキムケンの試合ブリを見て「だからブレイクしないんだよ…」と思ってしまいました。続く(因縁の)浜口はさすがさっさとキムケンを退けただけに、余計にキムケンの「センスのなさ」が目立ってしまいました。

 

>この試合の全貌はコチラ

 

新日本・UWF「5vs5イリミネーションマッチ」

 

そして2つ目が、1986(昭和61)年3月26日に東京体育館で行われた新日-UWFの「5vs5イリミネーションマッチ」です。

 

 

この試合は入場と勝敗で、当時の選手の「格付け」がよくわかります。

 

入場と選手紹介は、星野勘太郎→上田馬之助→木村健吾→藤波辰巳→アントニオ猪木。
木村は大先輩の星野と、”秘密兵器(特別出演)”の上田より上、またしても”中堅”のポジションです。

 

しかし、肝心の試合では、

 

①木村健吾が山崎一夫に蹴られまくりながら逆さ押さえ込みで先勝

②藤原喜明が星野からアキレス腱固めで悶絶勝ち

この時点で新日とUは1対1のイーブンです。そしてこの後、

③木村健吾が前田日明からフルボッコ葬で敗退

 

この時、後輩の前田はUWFの「大将」であり、格でも実力でも越えられていたのは”周知の事実”ではありましたが・・・

キムケンはそれよりさらに後輩の山崎、高田伸彦にも蹴られまくり、藤原に関節技でも弄ばれ、挙句に前田の重爆キックになすすべなく場外に吹っ飛ばされ・・・

 

「1勝目を上げた」とはいえ、かなり後輩の山崎に”クイック”での勝利。試合後のキムケンのイメージは藤原とケンカ腰でやりあった(勝ち星のない)星野勘太郎よりも劣る、「新日最弱」の役回りでした。

 

 

この頃からキムケンの団体内でのポジショニングは、「やられ役、引き立て役」の色合いが濃くなりました。

 

>この試合の全貌はコチラ

 

木村健吾と藤原喜明、前田日明

 

長州を襲撃した”テロリスト”、UWFで”関節技の鬼”として遅咲きのブレイクを果たした藤原喜明と木村健吾は、若手時代から不仲で知られていました(と言っても藤原が一方的に嫌っていただけのようですが)。

 

木村と藤原は年齢は藤原が上、入門は木村が数か月先、さらに日本プロレス経由で新日入りした木村に対し藤原は生え抜き、という微妙な関係。さらには早くからTVマッチに登場していた木村に比べ、藤原は長年ノーTVの前座に甘んじており、藤原からしたら「木村のヤロー、大して強くもないクセに猪木さんとか坂口さんに取り入って上に行きやがって」的な感情があったのだろうと思います。

 

この感情は当然、前田らUWF勢にも伝わっており、そのせいもあってかUWF勢のキムケンへの攻撃は当時、苛烈を極めました。

 

 

猪木vs藤原戦後に前田が猪木にハイキックを放ち、両軍入り乱れた大乱闘になった際に前田はキムケンを足払いで倒し、ゴンタ顔をTV初公開してコーナーに追い詰めてフルボッコ。さらに後輩である高田も山崎も、毎試合キムケンをサンドバッグ代わりに気持ちよさそうに蹴りまくり。

 

トドメが、藤原がかけた膝十字固めにキムケンが悶絶、「痛たーい!ダメダメダメ。助けてー!!」と叫んでギブアップ負けした試合が有名です。

 

前田は後年、藤原とのトークショーでキムケンとのエピソードとして「リングに上がってパッと組んだ時に、『木村さん、週刊プロレスで前田を懲らしめるとか何とか言ってましたよね』って言ったら『そんなこと考えてないよ』って。」「ひとこと言ったら急に優しくなった。」と笑っていました。

 

なんだか切なさを増してきたところで、次回③はいよいよ藤波辰巳との抗争、伝説の”ワンマッチ興行”に迫ります!

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