昭和特撮「仮面ライダーストロンガー」〜ネーミングの謎 1975

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今回は、40年ぶりに解けた謎を一つ。

1975年に放送された仮面ライダーシリーズ第5作「仮面ライダーストロンガー」

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この「ストロンガー」というネーミング、子供ゴコロに意味不明でした。

 

この「ストロンガー」はモチーフがカブトムシ。特性は電気人間。

 

で、「ストロンガー」ってまったく意味不明だったのです。

 

第4作の「X」は、主題歌にあるように「額に輝くVとV」で、V3からの流れを踏襲しています。

「アマゾン」はまぁ見ての通り、納得です。

 

なんでもう少しカブトムシとか、電気モチーフの名前じゃなくて、なんでストロンガーなの?とずっと思っていたのです。

 


 

◆「ストロンガー」ネーミングの理由

なんと。

原案では「仮面ライダースパーク」だったのだそうです。なるほど、それなら電気人間らしくて納得です。

ところが、「スパーク」が既に他社に商標登録(たぶん洗剤)されていることが発覚。

しかし、既にデザインなどは「スパーク」で進めており、胸にはでっかく「S」の文字が…。

そこで急遽、S文字からの発想で「ストロンガー」になったのだそうです。

 

そう言われてみたら主人公が変身前から胸にでっかい「S」マークの服をいつも着てました(笑)。

 


 

◆実は「ウルトラマンエース」も…

 

実は、同様の理由で「ウルトラA」が「ウルトラマンA」に直前で差し替えになっています。

 

こちらは、玩具メーカーのマルサンが「怪傑透明ウルトラエース」という商品をすでに発売していたため、商標問題を考慮して変更になったのだとか(市販薬とカブった、という説も)。

こちらは主題歌までレコーディング済だったらしく、まったく同じ楽曲、アレンジで「ウルトラエース」と唄っているバージョンも存在します。

 

よく考えれば、「ウルトラセブン」なのに「ウルトラマンA」っておかしいですよね。

 

もし「ウルトラA」だったら、以降は「ウルトラタロウ」「ウルトラレオ」になっていたんでしょうね。

 


 

話を「ストロンガー」に戻します。

 

◆仮面ライダーストロンガー
1975年(昭和50年)4月5日〜12月27日
毎日放送・TBS系列
毎週土曜19:00 – 19:30
全39話放送

この「仮面ライダーストロンガー」は関東地方でTBSで放送された初の仮面ライダーでもあります。

 


 

◆「腸捻転」ネットチェンジ

 

前作「仮面ライダーアマゾン」までの仮面ライダーシリーズは、毎日放送制作なのに、関東ではNET(現テレ朝)で放送されていました。

 

これは少々ややこしい事情が絡んでいます。

 

1960年代に「テレビ局の全国ネットワーク」が徐々に確立されていく中で、新聞社と東京キー局が連携を強化し、地方局はその傘下に「系列」として組み込まれていきました。

その際に、大阪ではANN(朝日新聞)系列に毎日放送が入り、JNN(毎日放送)系列にABC朝日放送が入る、というねじれ現象が起きていたのです。

これは「腸捻転」と呼ばれ当時、大きな問題となり、これを解消すべく、1975年3月末で朝日放送はANN系列に、毎日放送はJNN系列にそれぞれ鞍替え。本来のカタチにネットチェンジしました。

 

そこで、この「仮面ライダーストロンガー」はTBSの強い要請で生まれた新番組だったのだそうです。

 


 

◆当初の企画は「5人ライダー」

 

東映側の企画では「5人のライダーが活躍する」という案だったそうですが、放送局側の意向は「単独ヒーロー」。

 

結局、ストロンガーが誕生するのですが、「5人ライダー」の企画は後の「秘密戦隊ゴレンジャー」として戦隊シリーズにつながっていくのでした。

 


 

◆「仮面ライダーシリーズ」最終回

 

しかし、「仮面ライダーストロンガー」は視聴率で苦戦が続き、当初はこれまでのシリーズ同様、全52話(4クール)を予定していましたが、39話で打ち切りとなりました。

 

これは「仮面ライダーを人気のあるうちに有終の美を飾らせよう」という判断だったのだそうです。

 

最終話は藤岡弘さん以下、歴代の仮面ライダーが素顔で全員登場(素顔の7人全員集合は最初で最後なのだそうです)、原作者の石森章太郎さんも共同で監督を務め、「仮面ライダー最終回」と強調されました。

 

4年後の「スカイライダー」から仮面ライダーシリーズは復活しますが、我々リアルタイム世代からすると、やはりこの「ストロンガー」までがオリジナルシリーズ、という印象が強いのです。

コメント

  1. ジョニー より:

    >これは「仮面ライダーを人気のあるうちに有終の美を飾らせよう」という判断だったのだそうです

    この頃は特撮ヒーローものが作られすぎて、見る側としてもお腹一杯という
    感じになっているコが多くなっていた。
    だから一旦終わるのは仕方なかったし、東映側もいつかまた再開することも
    考慮して、人気があるうちにと考えたのでは?

    ちょうどその頃、世間では別の、のちに仮面ライダーと同様に人気が根強く
    続いていく昭和の名キャラクターのブレイクが始まってた。
    「ルパン三世」。
    昭和46年の本放送では人気が出ず半年で終了となったものが再放送に
    よってブレイクし始めていた。

    • MIYA TERU より:

      コメントありがとうございます。「ルパン三世」についてはまさにそうですね。いつの日か、このBlogで取り上げたいテーマの一つです。

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