今回は70年代の「恐竜ブーム」の最中に円谷プロが放った異色作、「恐竜探検隊ボーンフリー」です!
1976年10月1日〜1977年3月25日
NET(現・テレビ朝日)系列
毎週金曜18:00〜18:30
円谷プロダクション制作
全25話放送
▲主題歌は子門真人さん
◆実写特撮+アニメ
この作品の特長はなんといっても特撮+アニメ、という試みです。
恐竜やメカ等はミニチュアによる実写特撮。人間などキャラクターはアニメ、という手間のかかる作りでした。
この時期、円谷プロは「プロレスの星 アステカイザー」も同様に、ストーリー部分は実写ドラマ、戦闘シーンになるとアニメ、という手法をとりました。(ちなみに両作品のアニメ部分は日本サンライズが担当)
▲実写+アニメの合体はこんな感じ。なかなかシュールですね。
何故にこんなことをしたのか、というと、一つはサンダーバードのマリオネーションを意識して、という事と、もう一つは「特撮よりアニメが人気なので、一緒にしたらもっと人気が出るんでは?」という思惑だったのだろうと思います。
◆足したら面白くなる?
なにせこの後、1979年に円谷プロは完全アニメ作品の「ザ・ウルトラマン」も制作したくらいで、この当時のアニメの人気ぶりと、特撮番組への危機感がわかります。
しかし…当時小学生だった私からしたら、特撮は特撮、アニメはアニメであり、混ぜたら面白くなるというワケではないのです。寿司とステーキが好きだから一緒に食べるか、といわれれば、いやいや別々に食べたい、そんな感覚です。
そもそも「特撮が人気がなくアニメが人気」なのではなく、子どもはシンプルに「アニメの方が作品が面白い」から観るワケです。
「特撮がマンネリで面白い作品が作れなくなっている」事が問題だったのです。
そういう意味ではこの「ボーンフリー」は「怪獣ではなく恐竜」「戦うのではなく救う」といった企画自体が斬新で、ストーリーも面白く、周囲の子どもたちの間でも人気がありました。(なぜに恐竜「救助隊」ではなく「探検隊」にしたのか謎ですが)
しかし、この「ボーンフリー」は恐竜をモデルアニメーションという、フィギュアをコマ撮りで撮影する手法だったために制作スケジュールがあっという間に破綻、アニメと実写の2班体制のため制作費も高騰し、2クールで終了となります(どう考えてもそうなるのはわかると思うのですが)。
◆ストーリー
「彗星の接近で太古の地表が地上に現れ、絶滅した筈の恐竜が蘇った。しかし現代の気候では恐竜は生きられず、保護が必要。結成されたボーンフリー隊は恐竜を救助、確保して安全な生態系に移すのがミッション」という感じで、サンダーバードの救助相手が恐竜になった、というものです。
この着想は(なぜ地層と共に恐竜まで生きてるのか、は置いておいて)素晴らしく、登場するメカも魅力的で、私はアニメ部分はさておき、特撮見たさで毎回、楽しみに観ていました。
◆当時大人気の「ボーンフリー号」玩具
スポンサーはトミー(現:タカラトミー)の1社提供。同社が初めて本格的に関与した特撮(アニメ)番組だそうです。
発売されたボーンフリー号の玩具は完成度が非常に高く、ギミックも充実で子ども達に大人気、垂涎の1品でした。
さすが、トミカやプラレールのトミーですね、乗り物はまかせろ、という完成度です。
▼こないだ実家の押入れを探索して、ようやく発掘したボーンフリー号!(当時モノ)
2両連結型の装甲車で、2号車はコンテナになっていて、小型の偵察車(てんとう虫?)と潜水艦(イルカ)が入ってます。屋根にはヘリコプター(トンボ)がいます。
1号車のキャタピラを動かすとサイドの恐竜マークがグルグル回転します。アンテナやサーチライトは主導ですが動かせます。また、1号車の見張り台は伸縮可能です。
EXプラモシリーズ『恐竜探険隊ボーンフリー』ボーンフリー号セット 価格:14,080円 |
◆その後の「恐竜」シリーズ
この後、恐竜シリーズとして「恐竜大戦争アイゼンボーグ」「恐竜戦隊コセイドン」と続きます。
「アイゼンボーグ」はアニメとの融合は続きますが恐竜たちはモデルアニメーションではなく着ぐるみになり、「コセイドン」は全編実写の、普通の特撮ヒーローモノになりました。。。
【昭和 当時モノ玩具 記事INDEX】
ポピー超合金~①「マジンガーZ」1972
ポピー超合金~②ジャンボマシンダー「グレートマジンガー」1974
ポピー超合金~③「勇者ライディーン」1975
ポピー超合金~④「コンバトラーV」1976
ポピー超合金~⑤「UFOロボ グレンダイザー」1976
ポピー超合金~⑥「大空魔竜ガイキング」1976
ポピー超合金~⑦「がんばれ!!ロボコン」1974
ポピー超合金~⑧「ポピニカ」シリーズ!1972
ポピー超合金〜⑨「ゲッターロボ」&「グレートマジンガー」1974
ポピー超合金⑩「大鉄人17」1977
小さな巨人 タカラ ミクロマン①~70年代当時モノ カタログ
小さな巨人 タカラ ミクロマン② 〜70年代当時ものコレクション紹介編
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