『ULTRAMAN』〜2019 Netflix 3DCG ウルトラマン って面白い?

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今回は最新の作品、Netflixで公開中の『ULTRAMAN』を観た、昭和世代の感想です。ネタバレはありませんので、安心してください。

 


 

●『ULTRAMAN』とは?

 

2011年12月より『月刊ヒーローズ』上で原作・清水栄一、作画・下口智裕により連載され、2019年4月現在でコミックス13巻が刊行される作品を、3DCGアニメとして映像化したNetflixオリジナル作品です。

 


 

●どんなストーリーなの?

 

1966(昭和41)年に放送された特撮TV番組『ウルトラマン』の40年後の日本が舞台で、科学特捜隊ハヤタ隊員の息子が主人公です。

セブンや帰マンなどの歴史にはつながらない、初代ウルトラマンが去った後、侵略者も怪獣も現れなかった世界の物語です。

 


 

●昭和のウルトラマン世代でも楽しめる?

 

特撮ではなくアニメ作品で、それも好みの分かれる3DCG作品ではありますが、私は面白かったです。

 

科学特捜隊はゼットンを倒したあと解散になり、ハヤタも当時の記憶がありません。しかし、いまでは防衛大臣になり、今どきの高校生の息子がいます。

 

科特隊本部は「光の巨人記念館」になり、あのままの姿で登場します。館内にはビートルや車両、そして初代ウルトラマンの巨大な像。これだけでもワクワクしますが、なんとそこの責任者はイデさんです。実在のイデさんとは異なり(失礼w)、スリムで渋いロマンスグレーのおじさまです。

 

ストーリーの当初は、いまや両者とも初老を迎えたハヤタとイデの科特隊本部での会話からスタート。

 

なんと科特隊が現在も密かに活動していて、この間も異星人の襲来に備えていた…とハヤタがイデから明かされるところで、ハヤタの息子、進次郎に特殊な能力があることがわかり…

 

ネタバレは省きますが、進次郎が“新時代のウルトラマン“になるわけです。

 

普通のアニメだと「偉大な父親に反発する息子」となりがちですが、本作の主人公は実に素直で真面目な好青年。きちんと父をリスペクトしていて、その期待に応えようとしてくれます。

 

その点も父親世代からすると安心して見られますし、なにより進次郎の危機を救うべく、初老のハヤタが必死に戦うシーンは胸熱です。

 

「なぜ自分がウルトラマンに」という葛藤は当然描かれていますが、あまりそこに重きを置いてない点も良かったです。もうそういうのは飽き飽きしてますし、いいから早く変身して戦え!と思いますよね(笑)。

 

それ以外にも、別キャラですがモロボシダン、ジャック、北斗星司などの人物が登場して、まんまセブンやエースのコスチュームでバトルします。

 

特にモロボシダンの冷徹なキャラはカッコ良すぎです。普段は高圧的で後輩のハヤタ息子にパワハラ全開ですが、そこがいい。ハヤタの息子が「ウルトラマン大好き」を公言する人気アイドルとデレデレすると2階からものすごい殺気で「アイドルと仲良くなりたくて自分がウルトラマンですとか、余計なこと喋ったら…殺す」と(無言で)念を送るシーンでは、大爆笑しました。

 

あくまでTVシリーズの「ウルトラシリーズ」とは別の世界のお話ではありながらもウルトラ兄弟をオマージュしたスーツ、リメイクされたベムラー、ゼットン星人、ダダ、ピット星人、ヤプール、ベロクロンなどの宇宙人、怪獣、超獣も登場します。

 

そして変身やカラータイマー、スペシウム光線などの「サウンド」がまんま初代

 

昭和世代はニヤニヤしますよ。

 


 

●圧巻のバトルシーン

 

これは3DCGの弱点なのですが、人物キャラがまだまだぎこちなく、俗に言う「不気味の谷」を越えるとは言い切れません。この辺りは初めて観る世代は違和感ありまくりだと思います。

 

さらにはウルトラマンが巨大化もせず、強化スーツを着たサイボーグ的な姿なのも、「これって仮面ライダーとかアイアンマンじゃないの?」という気持ちになるでしょう。

 

しかし、そんなこたぁふっとぶくらいに、バトルシーンがスゴイです。

 

この作品はモーションキャプチャーを活用して、それにCGでキャラクターを足す、という作り方をしています。

 

モーションキャプチャでバトルシーンを演じたのは新日本プロレスの飯伏幸太とオスプレイなんじゃないの?というぐらいの、ノンストップバトルアクションはド迫力で、巨大化しない物足りなさを充分補います。

 

そして、なんだかメカメカしい、ちっともウルトラマンぽくない強化スーツが、メタリックな素材なことも、この3DCG制作にはピッタリ、ハマってます。

 

少し前に話題になった『Re:CYBORG(サイボーグ009のリメイク)』『Infini-T Force(ガッチャマン、キャシャーン、ポリマー、テッカマンのオールスター戦)』などの3DCGアニメ作品と比較しても、この『ULTRAMAN』のバトルシーンは、なかなかの見応えがありました。Netflixだから予算が潤沢なのもあるでしょうし、それだけ、時とともに技術進化スピードが速いのでしょうね。

 

セブンが刀などのスラッガー使いで、エースはギロチン光線使いなところも、芸が細かいです。

 


 

いま、Netflixで公開中なのはシーズン1で、未完の物語です。

 

私はコミックスは読んでませんが、レオとかアストラが出てきてるとかで、読みたくなりました(笑)

 

私はそもそも、「こんなのウルトラマンじゃない!」とか言わない(ようにしてる)タチなのと、3DCGなど新たな技術進化を否定するより、それを活かして頑張る若いクリエイターに対するリスペクトがある方なので、評価が甘いかもしれません。

 

しかし、それを言ったら昔のウルトラマンをいまの世代が観たらダサい、と思うのと変わりませんし、少なくとも円谷英二さんが遺した大いなるヒーロー「ウルトラマン」をリスペクトして、新たに展開しようとする人たちがいることに感謝です。

 

まだ本作品に触れてない方は、ぜひ一度、観てみてください!

 

 

ps.これを観て、さらに庵野監督の『シン・ウルトラマン』はどうするのかにも、期待が高まりました(笑)

コメント

  1. タカミックス より:

    Hybrid Insector(ハイブリッド・インセクター)と言う作品ですが消されてしまい閲覧不可です。
    平和になった世界で仮面ライダーが混成昆虫と区分けされ、人類の的として防衛局に追われると言う救いのないダークなストーリーです。
    非常に人気があった作品です。
    リアルタイムで見てる頃から版権大丈夫なのか? と心配してましたが案の定ダメでしたね。
    アングラ系のサイトを探せば見つかるかも知れませんがねぇ

    • MIYA TERU より:

      いまさらながら調べてみました。こんな作品があったのですね。。。オリジナルのディテールを残しつつオリジナルストーリーを構築する手法に長けた方なのですね。

  2. タカミックス より:

    知ってるかもしれませんが作者は非公式で仮面ライダーのWeb漫画を描いていた人です。
    著作権の関係で東映(石ノ森ではなく)から許可が下りなかった。
    なのでULTRAMANの連載が決まった時ライダーはダメでウルトラマンはOKなのかと思いましたね。
    あと作者は等身大ヒーローにこだわりがある訳ではない様な気がします。
    ゲッターロボも最近まで書いてたしね(ゲッターロボDEVOLUTION)。

    • MIYA TERU より:

      タカミックスさん、ありがとうございます!
      そうなのですね、仮面ライダーの非公式マンガも読んでみたいです。

      「ULTRAMAN」が等身大なのは巨大になる理由と科学的根拠が難しいからなのでしょうかね?

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