「ヤッターマン」〜1977 タツノコプロ タイムボカン シリーズ [当時モノ玩具]

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私の保有する当時もの玩具を絡めつつ昭和の名作アニメを振り返るシリーズ。今回は、タツノコプロ タイムボカン シリーズの中でも超人気の2作目、「ヤッターマン」をご紹介します。

タイムボカンシリーズ「ヤッターマン」
1977(昭和52)年1月1日〜1979(昭和54)年1月27日
フジテレビ系列
毎週土曜 18時30分 – 19時00分
全108話放映
タツノコプロ制作

 


 

●「ヤッターマン」とは?

 

のちに長く続く「タイムボカン シリーズ」の2作目。この「ヤッターマン」の爆発的人気が、その後、長く続くシリーズ化成功の起爆剤となった作品でした。2008年にはTVアニメのリメイクが、2009年には嵐の櫻井翔さん主演、ドロンジョ役に深田恭子さんの実写版映画も公開されるなど、若い世代にも高い人気と知名度を誇ります。

 

「ヤッターマン」は前作「タイムボカン」に比べ全編を通してよりドタバタ、ギャグ要素が増え、ノリの良さで人気爆発。ヒーローに変身する男女ペアの主人公、ゾロメカ、おだてブタ、三悪メカ爆発時のドクロ雲など、後のシリーズを構成する要素のほとんどが本作で確立しました。

 

特色は、前作よりも3人の悪役(ドロンボー一味)が大いに目立つ点。小原乃梨子さん、八奈見乗児さん、たてかべ和也さんが演じるドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーのキャラの立ちブリが大人気。

「全国の女子高生の皆さーん」「ポチっとな」「スカポンタン」などなどの流行語が、数多く生み出されました。富山敬さんの軽妙なナレーション「説明しよう!」も流行りました。

 

もはや主人公のガンちゃん、アイちゃんの2人は脇役でした(笑)。

 

ちなみにこちらは1977(昭和53)年「東宝チャンピオンまつり」のパンフ。なんと「キングコングvsゴジラ(再映)」とのセットでした。余談ですが7歳、小学生だった私は、周囲の子供たちが映画館でヤッターマンの主題歌を大声で合唱するのを観て、羞恥で逃げ出したくなったのを思い出します(自分も子供のくせにw  そのくらい、「ヤッターマン」は大人気だったのです!)。

 


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●主題歌

 

ビクター音楽出版からリリースされた主題歌は50万枚を超える大ヒットとなりました。

 

op① 「ヤッターマンの歌」
作詞 – 若林一郎 / 補作詞・作曲 – 山本正之 / 編曲 – 神保正明
歌 – 山本正之、少年少女合唱団みずうみ

ed①「天才ドロンボー」
作詞・作曲 – 山本正之 / 編曲 – 神保正明 / 歌 – 小原乃梨子、八奈見乗児、たてかべ和也

op②「ヤッターキング」
作詞・作曲 – 山本正之 / 編曲 – 神保正明
歌 – 山本まさゆき、スクールメイツ・ブラザーズ

ed②「ドロンボーのシラーケッ」
作詞・作曲 – 山本正之 / 編曲 – 神保正明
歌 – 小原乃梨子、八奈見乗児、たてかべ和也 / セリフ – 滝口順平

これぞ山本正之ワールド!というノリの良さで、独特の魅力ですね。

 


 

●当時もの玩具

 

1977(昭和52)年当時、メインスポンサーのタカトクトイスから発売された玩具は「Z合金」。パッケージからなにからまるでポピー「超合金」と区別がつかない寄せっぷり。

実はタカトクはポピーよりキャラクター商品玩具では先駆けの企業なのですが、この時期にはポピーの後塵を排しており、このタイムボカンシリーズを通して最大のスポンサーとなり、巻き返しを図っていたのです。

 

シリーズ中でも「ヤッターマン」は大ヒットし、タカトクが名前の由来となったキャラクター(高田徳兵衛、ガンちゃんの父)も登場する程の関係でした。初代のタイムボカンは昆虫モチーフの「乗り物」でしたが、ヤッターマンは動物モチーフで意思を持つ(喋る)“相方“的なロボ キャラでした。

 

本編にはほぼ主役メカの「ヤッターワン」→「ヤッターキング」が出ずっぱり。サブメカたちの「ヤッターブル」「ヤッターパンダ」「ヤッタードジラ」「ヤッターアンコウ」などはレアキャラで、めったにお目にかかれませんでした。

 

こちらは私のコレクション、キングとブルとパンダとドジラです。

 

パンダの目がシールのため剥がれてなくなってます…

 


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●大河原邦男さんが語る「面白さ」のヒミツ

 

当時、タツノコプロでメカニックデザインを担当したのが、後に「機動戦士ガンダム」で一世風靡した大河原邦男さんです。

大河原さんが、「ヤッターマン」はなぜあれほど面白かったのか、について語られています。

締めくくりに、ご紹介しましょう。

 

「ヤッターマンは、文芸部が作ったシナリオを絵コンテ作成時に無視するんです。
さらに、アフレコでは声優たちがアドリブする。アニメの中と同様に、あのドロンボー一味の“三悪人”がやりたいようにやっていました(笑)。

でも、シナリオのままにアニメを作っていたら、あれほど面白いアニメにはならなかったと思います。
タツノコの各セクションが、定められた枠のギリギリか、そこを少しハミ出すくらいの遊び心を持っていた。
だから老若男女に支持される名作になったんだと思います」

 


 

●「タイムボカンシリーズ」

 

「タイムボカンシリーズ」はこの後、「ゼンダマン」「オタスケマン」「ヤットデタマン」「逆転イッパツマン」「イタダキマン」と続き、1983(昭和58)年に一旦終了。

平成以降も「ヤッターマン」「タイムボカン」がリメイクされ、40年余りに亘って続くのでした。

 

 

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