ブーム直撃世代から見た「機動戦士ガンダム」⑤劇場版三部作

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今回は「機動戦士ガンダム」劇場版三部作をご紹介します!

 

©日本サンライズ、松竹

劇場版制作決定の舞台裏

 

劇場版は1980年10月に制作発表、81年3月に公開。

 

しかしまだ人気について疑心暗鬼な配給元の松竹は、「1作だけの総集編」を希望。「これだけのストーリーを1本ではまとめられない」と主張する制作側と、かなりすったもんだがあったようです。

 

結局、時間切れもあり「3部作の1作目」として公開を迎えますが、第1作には「I」という表記がありません。松竹としては、失敗なら即撤退するつもりだったのでしょう。

 

ところが蓋を開けたら公開初日から徹夜組を含めて大盛況。ここにきてようやく世のオトナ達は、この作品の持つものすごいパワーを認識したんではないでしょうか。

 

松竹は即続行を決断し、第2作、第3作と続きます。

 

これらは単なる再編集ではなくテレビシリーズ後半、体調不良で戦線を離脱していたキャラクターデザインの安彦良和氏が復帰、新規書き起こしのカットが大量投下され、クオリティが格段に進化しました。

 

そしてテレビシリーズを見逃していた+プラモデルから入った新規層が劇場版によって増幅し、さらにブームは加速、社会現象化していきます。

 

 

「プラモが人気で劇場版」・・・ではない?

 

こうして振り返ってみると、現在の常識である「プラモデルが大人気になって劇場版まで作られた」はオカシイことに気が付きます。

 

ガンプラ発売から劇場版制作発表はわずか3ヶ月しかありませんし、プラモブームが起こり出したのはその劇場版の制作発表直後あたりなわけで、ガンプラブームに関わらず、劇場版は別途進行していた、のです。

 

逆に、「もう放映終了した作品のプラモデルを買う」というのは子どもからしたらなかなか勇気が要る行為。そのときに、「映画化決定!」というのは、効き目があります。

 

よって、「プラモブーム→映画化」ではなく、相乗効果でブーム化していったのが正解な気がします

 

そもそも、本放送が終わって間もない時期に、ほぼ同時進行でプラモ発売と映画化が決まる、というのは当時としては割と破格の条件です。

 

この事から、初回放映時には打ち切りにはなってしまったものの、ある程度の手ごたえはあった、と考えらのが自然、というのが私なりの結論です。

 

 

次回、特別篇「ガンダム THE ORIGIN 安彦良和氏が描くもう一つのガンダム」へ続きます!

 


 

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